お姉ちゃんがお兄ちゃんだった件について(混乱)【オリジナルBL】

2 ページ4

ー悠陽sideー

目の前でむくれる弟がめっちゃ可愛過ぎてやばい。可愛い。でも、可愛いって言ったら本格的に話してくれなくなりそうだから言わないでおこう…。

俺は賢い男なのだ。

我が家に母さんはいない。
Aを産み落としたと同時にこの世を去った。だから、Aは俺にとって母さんの形見同然なんだ。俺がAに大して少々過保護で、だから態々女装までして、Aが悲しい思いをしない様にしてたんだけど、予想外だったな…。
真逆、俺が「お兄ちゃん」だと気付かなかったとは…。

流石にこの反応は予想外だったし、何より倒れるとは思わなかった…。そんなにショックか…？

…お兄ちゃん悲しい。

「なあA、俺がお姉ちゃんの方が嬉しかったか？」

何故か顔を顰めているAに思わずそう尋ねると、きっと睨まれた。

え、なに、俺地雷でも踏み抜いたの？

「ばっかじゃないの？…僕がお兄ちゃんを嫌いになるとおもってるの？」

馬鹿じゃないの、と再度呟いてふいっと横を向いたAの頬は赤くて、やっぱり可愛いなぁ、だなんて、また関係ない事を考えてしまった。むにむにしてそうで、こう、つまみたくなる。つまんだらつまんだでハリセンボンよろしくぷくーっと膨れそうで面白いよね。可愛いし。

「そう？…なら良いんだけど…」

「あと、か、可愛いとか言わないでよ！…ぼ、僕だって男の子なんだからね…！？お兄ちゃんだって言われても嬉しく……嬉しく……ないよね？」

「うーん、そうだね。Aに言われるなら可愛いも悪くはないよ」

だってお前は俺の大事な家族だからねえ、と続けると、決まりが悪くなったようで赤い顔のままふいっと逸らした。
あ、かわい〜、そういうことだよ。

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す