其ノ漆 ページ9
ジリリリリ
『っは！！』
ハアハアと息を荒らげ布団から飛び起きる。
『．．．夢？』
目覚まし時計を止めるとグッショリとした寝間着を見る
『夢か．．．よかった。』
ぎゅっと自分を抱きしめる。
赤井「武装探偵社の社員に襲われる夢を見たァ？馬鹿か？」
『ほ、本当なんだよ！妙にリアルだったし．．．なんだか気持ち悪いし。』
「ふーん」
興味無さそうに煙草をくわえる
「で、ガキは？」
『学校みたいだよ。』
「じゃあ今日はうるさくねえな」
『もう赤井．．．』
でも、こんな茶番が今では嬉しい。
「そういえば今日は放火魔をさがしにいくんだっけ？」
『そのつもりだったんだけど……今日はやめようかなって。』
スマホを開き、ボーとする
「珍しいな。ま、ゆっくり休めよ……あ、それとこれ、今からどうせ調べるんだろ？」
ハンカチに包まれた何かを渡される
『赤井には叶わないや。』
「何年一緒にやってきたと思ってるんだよ」
『35億☆』
「シバくぞ」
煙草を捨て、Aの髪をぐしゃっと乱暴に撫でる
ジメジメとした廃墟にやってくる。
地下に入ると水槽や古いパソコン、壊れたソファー、井戸がある。
『俺、理科とか実験は苦手なのに』
ブツブツと呟きながら試験管、コンプレッサー、
バケツ、プラスチック製のボールなどを地面の上に並べていく
『頑張ってくれよ。俺。』
そういうと、胸ポケットからメガネを取り出し、かける。
そして、ギュッと目を瞑り、開く。
『………お？コンプレッサーにバケツ……液体水素爆弾か、』
よいしょと立ち上がり、ゴーグルをつけ、黒い手袋を地面に投げつけ白い手袋を着用する。
器用に片手で新聞の切れ端を、もう一方はパソコンのキーを押している
『爆弾魔…黄色の破片…犯人の手掛かりなし。うーん。』
ハンカチで包まれていた黄色の破片を見る
『何かの欠片…このアーチを描いたような滑らかな曲線に、黒いブツブツが少し…どこかで』
唸りながら、新聞の切れ端を置き、パソコンに集中する。
『ん？……似てる。』
ある一件の事件が目に飛び込んだ。
電車爆破事件。
表では事故として取り上げられているが、計画的な爆破だったと裏ではされている。
犯人は未だ捕まっていない。
現場の写真のピンポイントを拡大する。
『同じような色………もしかして、』
自分のスマホをパソコンと連動し、
両手を使いものすごい速さでキーボードをタッ
プする。
『っ！ビンゴ。犯人が分かったぞ。』
続く
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作者名：腐ァーストキス | 作成日時：2017年8月16日 9時
