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其ノ陸 ページ7

ガチャ...

「お兄...ちゃん?」
部屋に入るなり、少年は不安そうな顔で俺を見つめた
『ごめん...混乱してて。』
ギュッと拳を握り、 ドアに手をかける
「!!!......早く帰って来てね?...待ってる」
今にも泣き出しそうな声で訴えかけられる。
その声は昔の自分の訴えのようで嫌気がさした。
『うん、おやすみ。』






『...』
外は夏だというのに肌寒かった。
ホコリっぽい匂いが鼻と口を侵す
『ゴホッゴホ...建物が壊れてる。』

ほんの数分前に壊れたような跡...
『巻き込んだのか...』
「そうだよ。さすが、中也の偽者さん。」
『っ!』
中也という単語にこの人はあっち絡みなんだとわかる。
振り向くのが怖い。目に見えない何かが蠢いているようで。
「いや〜、まさかさっきは中也と私も騙されてしまったけど、生憎中也がこんなに早い時間に1人で帰ることなんてないしね...それに」
ゴクンッと唾を飲む。
「中也は拳銃使えないからね。」
その瞬間本能でヤバイと感じた。
腰につけてある銃を抜いた。だが、それは
やつによって阻まれた。
「動きが遅いね...こんなに近くにいるから腰にある拳銃を抜いて私を撃つなんて到底できないし。」
耳元で強く囁かれ手が震える
ダン!
『くっ!』
肩を掴まれ強引に電柱の柱に叩きつけられる
太宰「私の名前は太宰治。元ポートマフィアだ。
君が真似している人の元相棒だよ」
太宰は、自身の片手で俺の両手を握った。
『真似じゃない!中也は...俺の兄だ!』
すると、驚いたような顔をしたが、使ってない片手で自分の顔を抑える
太宰「君がかい?中也が気にかけてる弟っていうのは?」
『気にかけてる...?』
太宰「だって君、8年前に誘 拐された子供でしょ?」
ドクンッと胸が高なった。誘 拐この単語は
よく聞いた。俺の人生を狂わせたもの。
俺が兄を...嫌いになった言葉。
『その単語を...言わないでくれ。』
太宰から顔を背ける。
太宰「それほど...『汚い』ことが嫌いなんだね。」
『!?』
ハッと我に返り、太宰の方を向く...が、それは自分を地獄に追い込む行為だった。
『ンン...!!!』
息ができない。身動きもとれない。
口の中で何かが動いてる。
助けて...助けて。
太宰「男にキスする趣味はないけどさ、中也の嫌がらせに君は最適だよ。」
中也?やっぱり兄さん絡みじゃないか。
......兄さんなんて大っ嫌い。
抵抗していた手も宙にブランと投げ出した...

番外編(B○注意飛ばして結構)→←其ノ伍



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設定タグ:中原中也 , 二重人格 , 文スト   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:腐ァーストキス | 作成日時:2017年8月16日 9時

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