2.星にネガイを【荒船哲次】

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それはあまりにも突然だった





荒船の機嫌が妙に悪くて、それでいて落ち込んでいて
何があったんだ、と聞いた





すると、荒船は苦しそうに、辛そうに





「アイツと……Aと、別れた…」





「!?」





別れた、と聞いて信じられなかったものの
当真から聞いていた喧嘩が原因かもしれないな、と推測する

その夜、俺は何があったのか、当真などに連絡して聞いた





そして翌日の昼、任務を終えた荒船と待ち合わせをして、本部のラウンジに集まった
良かったら話を聞かせてくれ、と言うと荒船は力なく頷いた









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話を聞いてすぐ、本部内がざわつきはじめたのがわかった

何事かと俺たちは辺りを見渡す



皆、壁に貼り出された一枚の紙に注目していた




すると、当真が静かに一枚の紙を差し出した






「荒船、鋼


Aが玉狛に転属したって聞いてたか」





一瞬、何を言っているのかわけがわからなくなった



それは荒船も同じだったらしく、口を開けて呆然と当真を見る




「見てみろよ、これ

今日……いや、昨日の夜、A級の隊長たちにいち早く連絡が回ったらしいぜ」







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A級 中村 A


上記の者を本日より玉狛支部へ転属とする







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一枚の、真っ白な紙


そこに書かれた文字は、俺たちを一気に現実へと叩き落とした






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