Re:Wishing you plenty of happiness today, tomorrow and always/ちー。 ページ5
“しゃむくんが引越す”
そんな噂が流れていた。
ショックだった、大好きだから。
すぐさましゃむくんのいつもの場所。
…屋上へ向かうと予想通り。
壁に寄り掛かって空を眺めるしゃむくんが居た。
その目がさみし気に見えて声をかけるのを躊躇わさせた。
風に乱された髪を直すしゃむくんの視線が私をとらえる。
「あれ、Aどうかしたの？」
にっこり笑うしゃむくんはいつも通りでさっきの目が嘘のよう。
増してや、あんなに大きな隠しごとをしているなんて思えない。
意を決して口を開く。
「あの、ね」
「うん？」
首を傾げて私の言葉を待つしゃむくんはやっぱりいつも通り。
「しゃむくんさ、引越すの…？」
そう言った途端明らかにしゃむくんの表情は硬くなった。
どうやら本当らしい。
「…いつ？」
声が震えてしまう。
俯いてしまったしゃむくんは「今日の夜」と小さな声で言った。
今日、って…
「何で、何で教えてくれなかったの…？」
「…ごめん、ごめんね？ 心配かけたくなくて…」
こっちを見たしゃむくんは嘘をついているようには見えなかった。
でも…
「言ってくれない方がやだよ…っ」
流したくもない涙が頬を掠めて落ちていった。
しゃむくんは言葉を発することなく、ただただ申し訳なさそうに涙を流す私を抱き寄せる。
すると、ゆっくりと話し始めた。
「本当、ごめん。 …怖くて」
「…どこに行くの？」
躊躇うように目を泳がす。
そして、小さな声で「イギリス」と呟いた。
考えても見なかった答えに目を見開く。
「い、イギリス…！？」
「…うん」
しゃむくんは今にも泣き出しそうな、無理やり作ったような笑顔で頷く。
「夢、をさ？ 叶えるにはそこに行かなくちゃ駄目で…」
「勿論、Aとずっといたいんだけどね」と付け足す。
「僕の我儘に巻き込む訳にはいかないから」
本音を言えば“私も行く”って言ってついて行きたいのだけど、決断したしゃむくんの気持ちを考えると簡単には言い出せなかった。
「…そっ、か。 じゃあ私は残るね？」
情けなく震えてしまう声。
「…A、ありがとう」
「大好き」と笑ったしゃむくんのようにしたかったけど言葉を返すのに精一杯で、私には不自然に顔を歪めることしか出来なかった。
_____Wishing you plenty of happiness today, tomorrow and always.
_____今日、明日、いつまでも幸せを願っています。
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蒼 - すごい感動しました！ (2015年9月5日 12時) (
レス) id: dbe7dd4a88 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ - 参加したいのですが、いいでしょうか？ (2015年4月3日 17時) (レス) id: 09d0c12b4f (このIDを非表示/違反報告)
ますく狐 - 色々な方のお話をみて僕も共感しました。 しゃむおんさんの引退発言を聞いて隣にいた友達と泣きました。聞こえなくてもいいので、しゃむおんさんたくさんの勇気を与えてくれてありがとう、がんばってください。 (2015年3月7日 2時) (レス) id: 44311eb58b (このIDを非表示/違反報告)
夜与雅(プロフ) - それぞれの作品を読んでて、しゃむくんの事が大好きなんだなって思いました。あ、あれ？いつの間にか目から汗が... (2015年1月11日 16時) (レス) id: e9489ac767 (このIDを非表示/違反報告)
悠亞@ゆあ(プロフ) - すごく感動しました(*^^*)気づいたら、涙が出てました…(T_T) これからも、頑張って下さい！ (2014年11月24日 12時) (レス) id: ab86d5dea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃむ好きさん達 | 作成日時：2014年5月23日 22時
