シンデレラ・ヒストリー (ページ10)

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監督「カット！！！」

監督「今のシーンめちゃくちゃ良かったよ～」

道枝「ありがとうございます」

監督「特にAのそーゆーとこがクソつまんないっ
てとこよかった」

『ありがとうございます』

監督「さすが天才子役」

『おだてても何も出てきませんよ？笑』

監督「またまた～」

永瀬「…」

永瀬は楽しそうに会話するAと監督を切ない目で
見ていた。

道枝「…せくん、永瀬くん！」

永瀬「…あぁ、悪りぃ。何？」

道枝「いや、凄い切ない顔してるんで、

…Aちゃんですか？」

永瀬と道枝の視線の先にはAがいた。
永瀬と道枝はAと同じシーンはもう何回も撮って
いる。でも、何回撮っても、何日一緒にいても、埋まらない壁があるように見えた。

永瀬「飯でも行きたいんやけど、」

道枝「今、誘ってみたらどうですか？」

道枝もAの後輩で、永瀬と仲良くしてるA
をずっと見てきた。一緒にグループでぶつかりながらも頑張る2人を見てきた。また、一緒に仲良くして欲しい、それは、道枝も思うことだった。

永瀬「今、台本読んで集中してるし後ででいいや」

道枝「…」

永瀬「…どした？」

道枝は何かを覚悟した顔で永瀬の元を離れて、A
の元へ向かう。

道枝「Aちゃん、お久しぶりです。今日、

ご飯連れてってください。僕、なにわ男子なりまし

た。なんもご褒美貰ってないです。」

永瀬「ちょ、おい！」

『、へ？』