こっち向いてよ、目黒くん２

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『向井くんお待たせ』







向井くんと合流し、







他愛もない話をして歩く







「お！なあ見て？








　ゲーセンあんで！」








『お、いいね！









　私あのでっかいぬいぐるみ欲しいな〜！』







冗談なのに、





本気で取ろうとする向井くん








「ほんまにこれやるん？エグない？」









『大丈夫大丈夫！』







ホラーのゲームでは全力でビビり倒してた。









高校生らしい、放課後デートだと思う。









気づけば夜になって、









イルミネーションに向かう。








「なあ、Aちゃん」









ポツリの向井くんは話し出した。









「俺なこっち来るの、



　ほんまは嫌やってん。









　大阪の友達と離れて。









　やけどな、Aちゃんとあの日、






　出会いは歪やったけど、







　出会えてほんまによかった。









　今楽しいのも、Aちゃんのおかげやで。







　ありがとう。」









私に向けた真剣な眼差し。





『ううん、私こそ。』









辛い時、ずっとそばにいてくれて






向井くんがいたから、こうやって前を向けてる。








『あ、これ…』






渡すタイミングは今だと思う






かばんから、プレゼントを出す。









『いつも、ありがとう。』









少し恥ずかしいけど






そんな感謝を述べるイブの日も、悪くない。

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