片想いと片想われ【桃】

想い（20） ページ20

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「…わっ、小瀧くん！」






「俺も聞いてええ？」






ベンチの横に座った小瀧くんは




私の耳にはめていないもう片方のイヤホンを




小瀧くんの片耳にはめた。







「めっちゃ盛り上がりそうやな。」






「そうそう！楽しい曲なの。」






「俺もこういうの好きかも。」






「…気が合うね。」







小瀧くんの方をチラリと見ると




目を瞑って聞いているのが見えた。




片耳にはめているイヤホンを手で触りながら




少し体を揺らしている。








音楽を聞いてるときまでカッコイイ小瀧くん。




いつまでも見ていられるくらい。







急に目をパチリと開けて




その瞳が私をとらえた。







「電車来たで…？」






「…あ、本当だ。」





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一瞬、私の中の時が止まった





二人っきりの世界になった気がした。





…





…なんで、なんで




こんなに心臓がうるさいの？





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