片想いと片想われ【桃】

想い（15） ページ15

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「A、好きやわ。」






苦い苦いコーヒーを持っていた手が止まる。





その言葉は嘘？





それとも本当？





多分、いや絶対に





前者の方が正解。





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それでもあなたに求められると




あなたに全てあげちゃうのが私。





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「…んっ、はぁ、」






大毅が口角を少し上げて




私の頰に手を伸ばした。




耳に唇が触れて甘噛みしたら




大毅なりの始まりのサイン。





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大毅の舌がつーっと私の体をなぞって




徐々に徐々に下の方へ降りていく。







たまに強く吸いついてキスマークをつけるから




その度にピクリと動く体。







その行動が大毅の理性を




ゆっくりとゆっくりと壊していっているって知ったのは




つい最近のこと。





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カタンッ







コーヒーの入っていたコップに




触れた大毅の手。




倒れたコップの中から漏れて




ポツポツとカーペットに滴り落ちていくのが見えた。





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それは大毅の理性が壊れる寸前の出来事で。





…





大毅は余裕のなさそうな表情で




私の胸へ向かって倒れてきたのを覚えている。





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