【テニスの王子様】幼なじみの壁越えました【幸村精市】 (ページ27)

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幸村side

数日ぶりに見たAはいつもより大人っぽく見えた。

Aの私服は小学生の記憶で止まっていて、最近まで制服、ジャージ、道着、部屋着のループだった。

それが今は女の子らしいワンピースで、いつも変わらない髪型はアレンジされている

ふと俺たちはあの頃から成長したんだなと思った。

待ったか待ってないかじゃ、待ったに決まってる。Aと出かけるこの日を、会えるこの瞬間を今か今かと待っていたんだ

ずっと胸が高鳴ってしょうがなかったよ

幸｢Aすごく可愛いよ｣

普段と違う君が可愛くて可愛くてたまらない。

この声は届いていないようで助かった。君の前では余裕のある姿でいたいんだ。

かっこ悪い姿をずっと見せてしまっていたからね。でも、こんな姿を見せられるのもAしかいないんだよ。

少し意地悪をしたらすっと俺の手に指を絡めてくる。ずるい…。

顔と触れている手に熱が集まる。
俺だって初めてのデートさ。君以外じゃダメなんだ。

幸｢ふふ笑そこまで緊張しなくてもいいのに。でも、Aのそういうところも俺は好きだよ｣

繋いでいる手を伝って緊張が俺にも流れ込む
そしてトドメの一撃をさしてきた

『私はもっと精市が好き…だから…！』

何それ…愛くるしい
可愛すぎる、やっぱりAはずるいよ

俺をかき乱すのがうますぎる

天然ってほんと怖いや
でも、彼女から言われたのが嬉しくて嬉しくてどうにかなってしまいそうだ

電車に乗り、バスに揺られ、ついに水族館に着いた。

休日のためか、溢れんばかりの人がいる。家族連れ、友達同士、夫婦、そしてカップル。

俺たちもその一組なんだと思うと、少し嬉しくなった。

幸｢ほら、着いたよ。｣

『わぁ〜！久しぶりに来た！でもやっぱりすごい人だね。覚悟はしてきたけど、列長そう』

幸｢その点は安心して。事前にチケットは取っておいたから｣

彼女の前で2枚のチケットをひらつかせる

『ええ？！ほんとに？！すごいよ精市。こういうことになるの全然考えてなかった。

ありがとうね』

幸｢どういたしまして笑さぁ、中に入ろう。｣

『うん！いっぱい楽しもうね、精市』

幸｢ああ。｣

きらきらしているAの笑顔は太陽よりも輝いていた。今日はどんな君が見られるのかな？

また胸が高鳴った。