【テニスの王子様】幼なじみの壁越えました【幸村精市】 (ページ20)

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幸村side

Aから手を繋ごうと言われたときは正直トクンと心臓が飛び跳ねた

こんなに甘えたAを見るのは初めてだった

彼女のプライドなのか、恥ずかしがってるのかはわからない。

もしかしたら夕日のせいかもしれない。

ぷくりとした頬が赤く染まり、目を少し逸らせて、さりげなく手を伸ばす姿は愛らしかった。

Aの小さな手に指を絡めていく

俺の手よりも幾分も小さいのに、厚みがあって力強い。時々擦れるマメは彼女の努力の証だ

Aは頑張り屋さんで、いつも無理をしてしまう。つらそうなところを表に出さないから、これまたやっかいなんだよね

俺たちにはここにくるまでたくさんの壁があった。

だけどそれは二人で支えあって乗り越えたからこそ、今では幼なじみの壁を越えることができた。

Aは俺に選んでもらえて嬉しいと言ったけど、俺はAしかいないと思っていたんだよ？

俺を幸村精市として、見てくれるのは君しかいない。

幼なじみだからって言って、ほかの女子から強くあたられたのも聞いた。

それを聞いても救えない自分に何度も腹が立った。

だけどAは何も言わず、武道で鍛えあげた精神力と礼の心で耐えてみせた。
俺のプレーに影響ないようにって

俺のためにここまでしてくれる人、影で支えてくれる人なんて一人しかいないし、これ以上いらない。

隣に君がいることが今どれだけ幸せだろうか

言葉では言い表せないよ

この思いをどうやって君に返そうか
聞いたら聞いたで、彼女は何も求めないだろうな笑

見返りを求めないから。そういうところにも惹かれる。真面目でいい子すぎるんだよ、Aは。

そういうところも好きなんだけど

少し直してほしいところもある。
みんなに優しいから、いろんな人に好かれる。ここまではいいけど、恋愛よりで好きとかになるととてもめんどくさい。

あの子は鈍感だから気づかないけど、俺は全部チェックしてるからね。虫は剥がしてくタイプだから。

でも、ここまで俺に甘えてくれるってことは俺が特別な存在であることには間違いないよね。

幸｢明日時間あったら、出かける場所決めないかい？｣

『うん！いいよ！どっちの家にする？』

ほらまたそうやって軽率にそんなこと言う…

幸｢俺の部屋においでよ。親、仕事だからゆっくり話せるよ｣

いてもAだからお互い変わらないけど笑