【テニスの王子様】幼なじみの壁越えました【幸村精市】 (ページ11)

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幸村side

幸「柳、Aを見なかったかい？」

もうこんな時間になっているのに、Aの姿が見えない。

マネージャーの仕事、終わってたはずなんだけどな…一緒にご飯も食べたし

柳「Aなら、赤也の自主練に付いていったぞ。素振りがしたいらしくてな。何かあったのか。」

幸「Aがまだ帰ってないんだ。赤也の自主練にしてもこの時間はおかしいよ…」

丸「幸村くん！！」

慌てた様子で丸井がかけてくる

幸「どうしたんだい？」

丸「今、氷帝の鳳が言ってたんだけど、宍戸が謎の集団に襲われて怪我したって！

青学の越前、桃城も、手塚と白石も遭遇したって…もしかしたら、って幸村くん！」

そのあとの言葉は聞きたくない

Aはきっと無事だ。いつもみたいにキョトンとして帰ってくるんだ。

そう言って自分に暗示をかける

だが、俺の夢はすぐに打ち砕かれた

横たわる赤也

無惨に散らばるボール

Aの大切にしている木刀が無造作に置かれている

幸「赤也！！何があったんだい？！」

柳「大丈夫か？」

歯を食いしばり、涙を流した赤也は声を振り絞って

切「…幸村部…長…すみません！俺…A先…輩のこと、守れなかったっス！

先輩は俺らの代わりになって…やつらに…」

幸「そう…か…柳、早く赤也を病院へ」

柳「お前はどうするんだ」

幸「俺は一度施設に戻って、状況を確認してくる」

Aが犠牲に？

今どこにいるんだ？

手を出されてないか？

俺の心は不安でいっぱいになった。
いつも隣にいて、笑っていてくれる。

俺が声を荒らげてしまっても、変わらない態度、むしろ正しい道に直してくれた。

こんなにも愛おしくて、手放したくないのに…どうして俺はAを守ることかできないのだろう。

これからは俺が守るって決めたじゃないか。

Aはお人好しで優しすぎるんだ。
だから他人のためなら自分の犠牲は躊躇わない。

今回もボロボロになった赤也を、俺たち日本代表を守ろうとしたんだ。

放られた木刀を拾い上げる。酷く傷ついていた。

“頼むよ…精市！！助けて…“

幸「ッ！？」

そうだよね。焦るな、冷静になれ精市。

Aは待ってるんだ。

幸「すぐに行くよ…。必ず見つけだすから。」

もう少しの辛抱だよ