【テニスの王子様】幼なじみの壁【幸村精市】 (ページ10)

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結局私たちはお互いの試合を見なかった

見に行けなかったっていうのもあるけど

全国大会も見に行かなかった。立海テニス部は優勝。２連覇を果たした。

ときどき思うことがある。精市はどんなテニスをするんだろうって。

小学生のときはいつも楽しそうだった。一緒に通ってた弦ちゃんといつも打ち合ってた。

テニスをしてるときは一番幸せそうで、見ている私も楽しかった。テニスもいいなって思うようになったんだ。

だけどこれは小学生の話。中２になったんだ。人は何年もすれば変わるでしょう…きっとね…

『うぅ…さっむい…』

季節は冬。雪がちらついている。

部活も終わり、外はもう日が沈んでいた。暗い中一人で帰る。あいにくテニス部の精市は外でできないから、早めの帰宅。いつもは待っててくれるのに。

帰り道、肩をすぼめながら、とぼとぼ歩く。
この時、私は知らなかった。

『ただいまー』

母さんと父さんの焦った顔。

母「A！精市くんが！」

踵を返して、走り出す。何度も耳を疑った

(父「精市くんが倒れたんだ！今病院に運ばれて…」)

言葉がループする。どうかお願い。
無事でいて…こんなとこでお別れなんて嫌だよ…

『精市っ！！』

幸母「Aちゃん？！」

精市の手を握る。その手は力が入っていなくて、涙が溢れてくる

『精市は…どうなんですか…？』

幸父「今、先生の話を待ってるんだ…。」

お願いだから目を覚まして欲しい…
そんな思いでいっぱいいっぱいだった。