【テニスの王子様】幼なじみの壁【幸村精市】 (ページ39)

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蒼「あんまし気張りすぎんなよ。」

『大丈夫だって。思いっきりやってくるから』

中学校、最初で最後の関東大会。

私にはもう悔いはない。

だよね精市。約束したもん。

"楽しくやる"って

『ふぅーっ。よし。』

エメラルドグリーンのヘアバンドを横目に自分の定位置に向かった。

行ってくるね、精市。

「立海大附属中学校。海音選手」

「氷帝学園。_____選手」

呼び出しがかかり、試合場に足を踏み出す

一歩一歩、足を出す度に緊張が増していく

「始めｯ！！」

ーーーーーー

『はは…とられた…』

最後の最後で1本を取られてしまった。
だけど、悔しいとは思えなかった。

あの一本があまりに綺麗だったから、逆にとってくれて嬉しいなんて思ってしまった。

私もあの綺麗な一本を打ちたい

『次は高校に入ってからかな。それまでの辛抱…痛ｯ！』

バシッと頭に衝撃がくる。

蒼「惜しいとこで負けやがって。」

蒼介は私が負けるといつもこうだ。その後お説教の時間がやってくる。

それはそれで為になってるからいいけど笑

『ごめん。』

蒼「だけど、今日の試合は良かった。今までで一番お前らしい剣道してた。」

『ほんとに？』

蒼介が頷くと、他の部員たちも言葉をかけてくれた。

私はこんなにも恵まれてる…。

『ありがとう。みんな…これが最後で良かったよ』

私の勝負はここまで、あとは精市が頑張るだけだよ。最後乗り切って、越えてこい！！

父「Aー！！」

『父さん？？どうしたの』

父「精市くんの手術、さっき終わったって、精市くんのお母さんが電話くれたぞ。

手術、成功したって。」

『そっか…。勝てたんだね。』

良かった…これで、またコートに立てるんだ。

精市のテニスしてるところ見られるんだ。

そんなことばかり考えていると、無意識に口角があがってしまう。

蒼「何にやけてるんだよ。」

『ううん。なんか今日、いろいろ嬉しくて…抑えられない…』

蒼「そうかよ…あーあ。終わっちまったな。俺達の代も。」

『こんなものでしょ笑ここからはあの子たちの時代だよ。

私たちが頑張ってきたの見てきてるから、きっと大丈夫。

まだまだ強くなれるって』

私も、もっと強くなる。

それで、自分の道を切り開いていくんだ