【テニスの王子様】幼なじみの壁【幸村精市】 (ページ31)

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地区予選を通過し、明日は県選抜。これを勝ち抜けば関東大会に行ける。

結果は優勝だった。先生はここで勝てなきゃ上で勝てない。よくやった。って褒めてくれた

精市も流石だね。と言ってくれた。その言葉が嬉しくて、心が跳ねる

そして、大会前の部活を私たちは始めようとしていた。

これがどう足掻いても最後の稽古。自分に鞭を打って、集中しようとする。

だけど、これはしようにもできなかった

蒼「うるせぇ…。」

『右に同じく』

ご察しかもしれないけど、武道場の隣はテニスコートがある。

今日は特別うるさい。男子テニス部を見るために多くの女子が集まっている。

中学って理由がない限り部活動は必ず所属しないといけない。だからこの人たちはサボってまで練習を見てる、それで

かっこいいとか

こっち向いてとか

きゃーー。って叫んでたりとか

部活を本気でやってる人たちにはいい迷惑でしかない。

運動部の友達、部長とか多いけど、やっぱりサボってる子多いって言ってた。うちには女子は私しかいないから、心配ないけど、女子だけのところはやっぱり大変そう。

『なんとかできないかな。』

そんな思いが込み上げてきた。

きっと弦ちゃんもどうにかしようって思ってるかもしれない。

精市の負担も減るかもしれない。

スッと立ち上がり、武道場を出る

蒼「どこ行くんだよ」

『ちょっと、話つけてくる。』

蒼介はわかった。と一言だけ返事をして、素振りを始めた

フェンスを囲むようにできた人垣。

みんな彼らを見るのに必死になっていたけど、そのうちの一人が私の存在に気づいた。

「海音さん？！」

あれ。知ってたんだ。私のこと…。
その一言で彼らへの視線は私に向いた
また彼らの視線も私に向いた

「剣道部の人だよね。」

「地区予選３連覇した人でしょ？」

「何かあったのかな？」

思い切って言ってみよう。直に言わないと伝わらないかもしれない

『明日、県選抜なんです。最後の稽古に集中したいので、少し静かにしてもらえますか』

静寂が訪れた。これはこの辺の女子を敵に回したかもしれない。

まぁいいや。静かになったんだし、これで集中できるはず。私だって、精市みたいに勝ちたい

蒼「お前まじでなんか言ったのか？」

『集中したいから黙れって。』

蒼「稽古する時、別の人格なるよなお前笑」

それはよく言われる