【テニスの王子様】幼なじみの壁【幸村精市】 (ページ29)

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蒼「おっせぇぞA！！もうすぐ準備始まんだろ！」

この口が悪いのは部長もとい蒼介だ。先輩方が引退した夏から部長として剣道部を率いている

『ごめんごめん。委員会忙しくなってさ』

間違ってはいない
なんでこんなに蒼介が急いでいるのかというと、今日の部活はこの体育館の設営である。

そう、明日は入学式。今年も剣道部はパシられている。

部員の多いところに頼めばいいものの、部員の少ない剣道部を選択するセンスはなかなかである。

先「今年もよろしくお願いします、剣道部。」

蒼「なんでいっつも俺らなんすか！」

先「雑巾掛けが校内一速いからに決まってるだろ」

『では、シートとパイプ椅子の設置はいいのでは』←

おっと小声で言ってしまった。
体育館を雑巾掛けとは頭が狂っている。立海の体育館どんだけ広いと思ってるんだ。

とか言いつつ、昨年も叫びながらやってたんだけど

その後すぐ稽古できるように胴着を着て、袴たくし上げて作業をしていると聞き覚えのある声が聞こえた

「お？Aじゃん。」

赤髪のくせっ毛にグリーンアップルのガム。
山吹色の生地に胸元のところに黒帯がデザインされたテニスウェアー。

それは立海の校章を背負う者の証

『丸井くん…？』

何故彼がここにいるのかわからなかった。
部活の開始時間はまだまだ先のはず

私たちは設営があるから早い開始だったけど

『もう部活始まってるの？』

丸「いや。今はまだ自主練だぜぃ！Aはなんでそんな格好でなにしてんだよぃ？」

『私は明日の入学式の準備だよ。毎年剣道部がパシられてるんだー』

え、まじかよと言わんばかりの顔だった

丸「あれ、先生方がやってるもんだと思ってたぜぃ…時間もまだあるし、俺手伝おうか？」

神の囁きか…

『でもいいの？せっかくの練習時間削れて…申し訳ないな』

丸「いいんだよ！ちょっと真田に相談してくるよぃ」

『恩に着ます』

それから数分後…

丸「なんか相談したら、レギュラー来ちまった」

『なんかありがとね丸井くん』

いいぜぃ！と言いながら、ピースサインをしてくれた。

真「Aに無理はさせられんからな。」

切「A先輩のためなら頑張れるッス！」

桑「いや、そこは入学式にしろよ。」