【テニスの王子様】幼なじみの壁【幸村精市】 (ページ20)

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もうすぐ３月になる。

まだ肌寒さは残るものの、だんだん暖かくなってきてる

でもまだ精市の病気は良くならない。
今日は牡丹をもってきた。しっかり調べたんだ、花言葉

王者の風格…すごい響きだ。立海のテニス部は関東大会１５連覇。全国大会２連覇を果たしている。

他校からは王者立海と謳われ、また彼ら自身も上に立つ者として君臨している

精市は入院してる間、たくさんのリハビリをしている。手術もまだだし、病名も未だにハッキリしてない

幸「A…Aってば」

『…っ！！ごめん精市。どうしたの？』

幸「どうしたもこうしたもないよ。何回言っても反応しないんだもの。」

『あはは笑ちょっと考え事。牡丹はね、王者の風格って花言葉なんだって。精市にぴったりだね』

幸「そうかい？」

『だって、私、中学上がってから、精市の試合あんまり見てないけど、弦ちゃんが言ってた、負けてないって。』

負け無しの選手。神の子。なんてテニス界では呼ばれてるらしい。本当にこわい

幸「Aも王者の風格あると思うけどなぁ…」

『え！なんで？私負けてばっかりだよ？ちょっと上の大会にいってるだけだし…』

精市みたいな大層な選手じゃないし…

幸「それでも年上を抜いて、地区大会では堂々の２連覇、県大会でもベスト８には入ってる。３連覇も夢じゃないね！」

『うーん…今は大会少ないだけだから、なんとも言えない…でも、ありがと』

負けたくないだけ…私が負けたら、みんなの期待を裏切ってしまう

それに長い間続けてきたのに、最近始めたような人に負けてしまっては私の立場がない。

それこそ落ちぶれの選手になる

それだけは避けたい。地区予選まで３ヶ月もない。精市も病気と闘ってる。私も頑張らなきゃ

でも、やっぱり楽しくなきゃね！私は私の剣道をする。ただそれだけ…引退かかってるけど、勝ちばっかりに執着しちゃだめだよね

『あのつぼみ、もうすぐ咲きそうだね』

窓の近くにある枝には小さなつぼみがいくつもあった

幸「どうしてわかるんだい？」

穏やかに微笑んで精市が言う
答えは

『私の勘！』

にっこり笑って言った。
その後精市はまたAの勘か〜と笑っていた

幸「Aの勘は当たるんだよね。こういうの笑」

『だって今にも咲きたいって言ってる気がするから！』

これは私の弾けた気持ちでもあるけどね笑