【テニスの王子様】幼なじみの壁【幸村精市】 (ページ13)

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窓から入る温かい日差しで目が覚める。
握っていた手は今は力強く握り返されている。

『精市？！』

寝ていたはずの精市が起きていて、おはようなんて呑気にいってる

こっちはすごく心配して、心臓が張り裂けそうだったのに

『良かった…良かったよ…目、覚ましてくれて』

涙が止まらない。
このまま、時間が止まっちゃえばいいのに。

だって、そうしないと、また精市が眠ってしまうんじゃないかって思って。

でも、だめだ。早く看護師さんを呼ばないといけない。

ちょっと心苦しいけど、手を離した。
一瞬精市が心配そうな顔をしたけど、またいつもみたいに微笑んで、

幸「ごめんね。心配かけて。」

なんていうから、

『ほんとだよ。今看護師さんに言ってくる！』

また、悲しそうな顔。ごめんね。精市。私、全然、精市のことわかってあげられない

精市はいつも大人で、いつも周りのこと見てて、多くの部員をまとめて…リーダーシップもあって…いっぱい信頼されてて

たくさんの人から必要とされてる

そんな精市と私は同い年で、幼なじみで、ずっと一緒に過ごしてきた、なのに、こんなにも違う。私は年下の子みたいにずっと幼稚なんだ。

そんな気持ちを考えながら病室をあとにした。