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「ここの本丸の人に話しかけるな…ねぇ。また彼も難しい事を言う。それじゃあできる事も限られてきちゃうよね」
「そうなんですよ…で、今ちょっと加州君の手入れに入りたいんですけどそれも出来なくて…」
光忠は腕組みをし、溜息をついた。が、コハクが加州の話を持ち出した途端、彼は先ほどよりもさらに驚いた表情を見せた。
「加州君の手入れ?!本当に?!」
「えっ?は、はい…」
「いやぁ、よかったよ。僕が前の主の時にさ、何度も彼を無理やり手入れしようとしたんだ。何せ…あんな状態だったからね。でも加州君はこっちの方が可愛い、って一点張りで…でも、本当によかったよ。」
光忠は何度もうなずきながらそう言った。その表情からは喜びの色が見えた。
「で、加州の手入れにはいかなくていいのか」
そんな時、大倶利伽羅は溜息をつきそう言った。自分たちがコハクの邪魔をしているのだと思っているのであろう。その証拠に光忠の頭を黙れ、とでもいうかのように一発いい音を鳴らして殴っていた。
「じゃあ…行ってきます」
「ああ、ちょっと待って。君、僕たちの主になるんだろ?なら、その敬語はやめた方がいい。多分だけどなめられるし、それに主としてカッコがつかないだろう?だから、これからは普通に話してくれていいからね。引き止めて悪かった。じゃあ頑張ってねコハちゃん」
「コハちゃん…うん、じゃあ頑張ってくるね」
コハちゃん、おそらくコハクの事を指しているのであろう。思わずオウム返しにしてしまった。まぁ、それはどうでもいい。
「(敬語はなめられる…か。でも、相手は神様だよね…?)」
敬うべき存在なのではないかと、コハクなりに考えていたのだがどうやら彼らは自分が神であるという事を誇張する事はないのだろう。光忠の言葉に従う事にした。
話をしていたからか、加州の部屋に着いたのは手入れ道具を取りに行くと告げた時から約15分後であった。正直、ここから手入れ部屋まではあまり距離はない。加州が不審に思っていないといいな、と内心で呟いた。
「加州君、遅くなっちゃってごめん…ッ?!」
…コハクは今から加州に戦慄することになる。加州は帰って来て早々にコハクの元に這いより、そして足にしがみついた。
「…主、遅かったね。やっぱり…俺が可愛くないから、俺がいらないからそういう事するんだよね…?ねぇ、俺…もっとかわいくなるからぁ…だからぁっ、…捨てないで下さい…ッ!」
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天津 - そして、ずっとほったらかしの加州君。 (2019年5月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
花月 - へし切りは織田組ですね!伊達組は燭台切光忠と鶴丸国永と大倶利伽羅ですよ!! (2015年5月7日 5時) (レス) id: cdb733f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
かなた(プロフ) - 花月さん» 了解です!ええと、へし切り長谷部は伊達組…でしたっけ?うろ覚えなものでして… (2015年4月22日 22時) (レス) id: 1e0c3c4303 (このIDを非表示/違反報告)
花月 - 伊達組を加えて欲しいです!お願いします!! (2015年4月22日 20時) (レス) id: 5d2f7380bb (このIDを非表示/違反報告)
かなた(プロフ) - 白衣さん» コメントありがとうございます!両者ともに出そうかと思います(`・ω・´) (2015年4月20日 21時) (レス) id: 7df494310f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなた | 作成日時:2015年4月19日 3時