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コハクは気を取り直し立ち上がると手入れ道具一式を持ち手入れ部屋を後にした。


「(となると加州君に話しかけるのはまずいのかな…)」


先ほどの小狐丸の言葉からすればそうであった。しかしそう考えると手入れも何もろくにはできない。本当にただいるだけの存在となってしまうだろう。


「はぁ…どうしよう」


「どうしたんだい?何かお悩みの様子だねぇ」


「はい、それが…ってえーっと…」


独り言を掬われ、そのまま会話が成立していた事に驚き、そして声が聞こえた後ろを振り向く。そこには眼帯をつけたいかにも伊達政宗!という風貌の男性と、その横で呆れたように溜息をつく褐色の肌をした男性がいた。今回はあちらが話しかけたからセーフだよな、そんなルールを確認する子供のような事を思うとコハクは彼らとの会話を再び始めた。


「あ、初めましてコハク、と言います。今回新しく審神者になりました」


「おお、君が!僕は燭台切光忠。で、こっちが大倶利伽羅。」


「…どうも」


光忠は新しく審神者となった、と聞いた瞬間に顔色を明るくする。大倶利伽羅の方もわかりにくいが少し明るい反応だったように思える。


「で、この本丸…ちょっと怖いだろう?僕も詳しくは知らないんだけど、前の主の影響みたいでね…特に小狐丸君なんかは君が来るって聞いてすごくピリピリしているよ。」


「あ…今さっき会いました。確かに…すごく怖くて、あの…」


「ん?何だい?」


これは見極め時であった。これを彼に言ってよいのかどうか、だ。小狐丸の事を少しながら普通とは違う見方をしているのは言葉からもわかり、それにそれが本意だとは心理学をやっていたからか手に取るようにわかる。しかしここで言って後悔なんて馬鹿な真似はしたくはない。それに、隣の大倶利伽羅はどちら側なのかが全く把握できていない。


「…なぁ」


「は、はいっ」


「…俺はあいつらの味方なんかじゃないからな。むしろお前が来てくれて清々してる。だから、吐きたいことがあるんなら吐け。」


大倶利伽羅は無表情のままそう言い、そっぽを向いた。きっと彼なりの親切なのだろう。それを証明するかのように横で光忠が少し驚いた表情をとっている。しかも独り言で『くりちゃんがやっと心を開いた…!』と母親じみた言葉を連ねる。…言われた本人はそっぽ向きながらも拳を作り、今にも殴りそうであったが。


「ありがとう、えっと、ね?僕からこの本丸の人たちに話しかけるなって…言われたんだ」

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天津 - そして、ずっとほったらかしの加州君。 (2019年5月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
花月 - へし切りは織田組ですね!伊達組は燭台切光忠と鶴丸国永と大倶利伽羅ですよ!! (2015年5月7日 5時) (レス) id: cdb733f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
かなた(プロフ) - 花月さん» 了解です!ええと、へし切り長谷部は伊達組…でしたっけ?うろ覚えなものでして… (2015年4月22日 22時) (レス) id: 1e0c3c4303 (このIDを非表示/違反報告)
花月 - 伊達組を加えて欲しいです!お願いします!! (2015年4月22日 20時) (レス) id: 5d2f7380bb (このIDを非表示/違反報告)
かなた(プロフ) - 白衣さん» コメントありがとうございます!両者ともに出そうかと思います(`・ω・´) (2015年4月20日 21時) (レス) id: 7df494310f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなた | 作成日時:2015年4月19日 3時

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