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「だから止めとけってさ。」




目の前のその人の言葉が

視線が

帰ってきたばかりの俺に痛いほど刺さった。



脳裏に未だ焼きついて離れない彼女の姿と、

降り続いてやまない雪の白さ。



「傷つくのはお前とAだって、そんなの分かってた事だっただろ。」



いつもふざけて周りを笑わす

そんな彼はそこに居ない。






樹「…ごめんね。」




翔平「謝る相手多分俺じゃねえけど、でもさ。」




彼は一拍置いて、ふと優しい目をした。






暖かい、見守るような、大切な物を見るような。






翔平「どうしても俺はお前に感情移入しちまう所もあるからさ。ずっと一緒に居たし。」



樹「、翔平。」


こいつの言葉に、俺はきっと弱い。



いつも馬鹿みたいにはしゃいでる癖に。


子供みたいにわーわー言ってる癖に。



こういう時だけ俺より大人で、

こういう時だけ真剣に俺を見る。



優しくて良いやつなのが伝わるから。

ずっと一緒に居たから。




余計に嫌なほど響く言葉と声。


他の誰かに追求はされたし、なんでどうしてって沢山言われた。

なのに、こいつは何で聞かないんだろう。




分かってるから?


いや、それもあるだろうけど違う。






誰よりも気持ちを汲んでくれてるからだ。


俺とAの。


何も聞かず側にいてくれるのが山彰さん達だとしたら、

こいつは言葉を掛けてはくれるのに聞いて欲しくない所がまるで分かっているかのように踏み入ってこない。





翔平「悩みすぎんなよ? 頭くるくるぱーで痛い痛いになっちゃうぞー。」


ほら、また訳分かんない事言う。


けど、必死にこいつなりに少しでも楽にさせてくれようとしてるのが手に取るように分かる。


樹「何だよそれ、変な事言うなって。」




沸き上がってくる笑みを隠さず彼を見れば、


少しほっとしたように笑って


翔平「いやー。これが最高の楽しみ方ってやつですようょひょひょひょひょ!!!!」


樹「…うるさ……。」


変な笑い方も、ふざけると馬鹿みたいな所も


結局は優しさで、本当は誰よりナイーブで考え込みやすいやつ。

でも、


翔平「俺自身もさーそんなに強いタイプじゃないから。だからさ? 辛さ知ってるからこそ皆にやっぱ笑ってて欲しいじゃん。」

翔平はいつもこう言う。

ほら、優しい。認めてくれないけど。





樹「ありがとね。翔平。」

翔平「なにがー?」

樹「なんでもない。」



何だそれ、と笑った翔平の赤い髪が

静かに風を受けて揺れていた。

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作品ジャンル:恋愛
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ルーヴ(プロフ) - 秋さん» はじめまして! All dayを拝読頂き、ならびにご指摘ありがとうございます! こちらの二点、修正完了致しました! 隙間時間に書いていることもあり、誤字が多くお恥ずかしい限りです…。これからも何かありましたらご指摘感想、宜しくお願い致します! (2019年12月11日 16時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
- 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 引き寄せてのここの台詞 彰吾「…恋愛は禁止。今の時点で絶対に。それが無かったとしても、俺はあいつに相談相手でありたいの。」 これ正しくは俺はあいつの相談相手ではないんでしょうか? (2019年12月11日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは(*^^*) はじめまして。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 零時のここの部分 愛した彼の名前を読んだ声は、 これ正しくは名前を呼んだではないんでしょうか? (2019年12月11日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年11月12日 12時

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