終演 ページ19
終演直後。
楽屋では騒いでいるメンバーや、アップする動画を撮っているメンバー、スタッフさん達にひたすら挨拶するメンバー、水風呂…
そして走り回るスタッフの波でごった返していた。
そんな中、視界の隅に段ボールを躍起になって持ち上げようとしているAの姿。
必死で何度も力を入れ直し、やっと持ち上げているのが少しだけ可愛いな、なんて。
手伝いに行ってやりたいような、もう少しだけ見ていたいような、そんな所が。
サイコパスだって言われる、原因なのかも。
翔平「やーましょーさーん!!」
壱馬「兄さん、ちょっと映ってくださいよ〜」
彰吾「兄さんちょっと忙しいから後でな。」
翔平「えーとね! やましょーさんはちょーっとお忙しい様なのでまた…」
ライブ配信でもしてるのか携帯の画面に向かって喋り続ける壱馬と翔平を軽くあしらって、
そろそろ手伝ったるか、と近付く。
彰吾 「力弱。」
なんて少しの悪口を含めてAに声を掛ければ、すぐさま不服そうな顔を作る。
ほっぺた膨らませて、なに。
強調してんの? チューでもして欲しいの?
可愛いんじゃけど? は?
心の中で突っ込みながら細くて華奢な腕から荷物を奪い取った。
「あ、彰吾いいってば、ねえ、私弱くないもんね。ねえ。」
ちょこちょこ文句を言いながら着いて来る辺りも小動物みたいで、ってこいつの事ばっか考えながら歩いてる事。
こいつは全く知らんのじゃろうな。
彰吾「文句言ってる暇があるならさっさと歩くー。」
まだ小さい声でぶつぶつと文句を言うからそう言えば、
「………」
明らかに私不満です!! って顔は崩さないまま少し黙った。
…なんだこの子。
人を落とす天才ですか、そうなんですか。
「あ、そう言えば。」
彰吾「ん?」
「慎くん、大丈夫だったかな。」
彰吾「あー、怪我してたって言ってたな。」
「袖から少し見えてた限りは大丈夫だったと思うんだけど、」
彰吾「…心配なら行ってやれば。」
「んー…、うん、この後行って来る。」
ああ行くんか。
なんて、自分で進めた癖に苛立って。
出る前、テーピング部分を愛おしそうに触っていたまこっちゃんに違和感を覚えて。
遠回しに聞けば教えてもらえた話。
まこっちゃんの気持ちはメンバー内で知らないやつが居なかったくらい有名で。
樹と付き合った時呻いてたし。
だから…俺は。
俺は別に。このままで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルーヴ(プロフ) - 秋さん» はじめまして! All dayを拝読頂き、ならびにご指摘ありがとうございます! こちらの二点、修正完了致しました! 隙間時間に書いていることもあり、誤字が多くお恥ずかしい限りです…。これからも何かありましたらご指摘感想、宜しくお願い致します! (2019年12月11日 16時) (
レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 引き寄せてのここの台詞 彰吾「…恋愛は禁止。今の時点で絶対に。それが無かったとしても、俺はあいつに相談相手でありたいの。」 これ正しくは俺はあいつの相談相手ではないんでしょうか？ (2019年12月11日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - こんにちは(*^^*) はじめまして。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 零時のここの部分 愛した彼の名前を読んだ声は、 これ正しくは名前を呼んだではないんでしょうか？ (2019年12月11日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルーヴ | 作成日時：2019年11月12日 12時
