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キミだけ ページ13

俺が、想いを自覚するまでには、


そう時間は掛からなかった。








水で滑って倒れてしまいかけたその細い身体を、


支えようと走って、間に合わなかった。






気づいた時には、あの人は翔平さんの腕の中で。



慎「…翔平のくせに。」


なんて、また先輩だぞって怒られちゃうかな。





頬を赤くした翔平さんを見ていれば分かる。





きっと、きっと。


まだ本人さえも気づいてない気持ちが翔平さんの中にはある。



いや、分からない。


もしかしたら、気がついているのかもしれない。



樹さんの為…だとしたら。

押さえ込んでいるのにも頷ける。






慎「……はあ。」



自然と漏れる溜息。


溜息と呼吸の区別なんて、もうつかない。




それくらいに、溜息を繰り返していた。


好きって、どうしてこんなに苦しいんだろう。



神様が最初から、進むべき道を教えてくれていたらいいのに。


そしたら、皆幸せになれるのに。



人の傷の上にしか、どうして恋愛は成り立たないんだろう。





相手が何も思って居ないのを分かっていても、


それでも彼女は今日も綺麗で。


どんな人よりも魅力的に見えてしまう。



慎「こっち向いて。」


なんて、声とも言えないくらいに小さな声で、

前を歩くAさんの背に訴えかけた。





ねえ。


あなたは本当に、俺の心が読めるのかな。


振り返る姿が

ゆっくり、酷くスローモーションに見えた。



「ねえ、慎くん。」


慎「っ、は、い…?」


「あれ、やっぱり呼んでなかったよね。」


慎「なんでですか?」


「呼ばれた気がしたの、凄く。おかしいなあ、疲れてるのかな。」


なんて、ふわっと微笑む彼女。


慎「べつに、」

いつもの癖で誤魔化そうとする俺。



でも、きっとこのままじゃ何も変わらない。


山彰さんと話していた時の切なそうな表情。

あんな顔、俺ならさせない。


例えこの恋愛がどれだけ許されなくても。


なにがあっても、この人が欲しい。


この人に触れてたい。胸が高鳴るのは、あなただけ。



だから。


慎「Aさん。やっぱり、俺呼びました。」


「あれ、本当? どうしたの?」


不思議そうな首を傾げる表情でさえ愛おしくて。



心臓を握りしめられたみたいに苦しい。




慎「今から言う事は冗談でもなんでもないです。」



「だから、真剣に聞いてください。」









「Aさん、俺ね。」









.









「Aさんの事が好きなんです_______。」

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作品ジャンル:恋愛
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ルーヴ(プロフ) - 秋さん» はじめまして! All dayを拝読頂き、ならびにご指摘ありがとうございます! こちらの二点、修正完了致しました! 隙間時間に書いていることもあり、誤字が多くお恥ずかしい限りです…。これからも何かありましたらご指摘感想、宜しくお願い致します! (2019年12月11日 16時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
- 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 引き寄せてのここの台詞 彰吾「…恋愛は禁止。今の時点で絶対に。それが無かったとしても、俺はあいつに相談相手でありたいの。」 これ正しくは俺はあいつの相談相手ではないんでしょうか? (2019年12月11日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは(*^^*) はじめまして。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 零時のここの部分 愛した彼の名前を読んだ声は、 これ正しくは名前を呼んだではないんでしょうか? (2019年12月11日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年11月12日 12時

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