大丈夫 ページ32
朱雀さんの暖かい表情が、声が。
尊人の目を擦りながらも笑ってくれるその優しさが。
竜のいつだって私の背中を押してくれた強さが。
綾小路さんの変わらぬ強い真っ直ぐな視線が。
海司のどんな時も私の味方で居てくれたその心が。
陸のいつも私を安心させてくれるその手が。
話したことも少なかったのに、笑って見ててくれるハルさん達が。
その全部が、嬉しくて。
「光輝、言いたい事があります。」
光輝「へ、へ、え、俺? え、なん、ですか…?」
予想して居なかったのか物凄く慌てて、襟を正して背筋を伸ばして私を見る光輝。
「入学してから。
私は、いつもどこか上手く行かなくて。
"ある事"も理由に、周りと馴染むやり方が分からなくて。
でもそんなのはいつも、私から逃げていただけだったんだって。
気づかせてくれた光が光輝でした。
本当に名前みたいに…人を明るく照らして輝く、光。
いつかそんな光輝の傍に行けたら。
いつからだろう、光輝の事をもっと知れたら。なんて思うようになった。
光輝の事が、どうしようもないほど好きになってた。
途中はね、その中で。海司や竜…何より、陸に。気持ちは揺れて。
陸の優しさも、暖かい声も表情にも、ドキドキしたし、素直に好きなんじゃないかって思ったりもした。
けどね、それはきっと全部違うの。
あの時________。
事故でキスしちゃって照れてた。
光輝が居る前で抱きついちゃって、更にその事故の後だったから、余計に恥ずかしくなった。
陸に照れる時はね、いつも理由があったの。
…そう、教えてくれたのも陸だけど。
でもね、光輝に照れる時は。光輝にドキドキする時は、いつも無条件だった。
何してても目で追ってて、何してても格好良くて、たった一つの笑顔さえ、私がここに居る意味だった。
たった少しの言葉で自分でもびっくりするくらい頑張れたの。
光輝の、全部が好き。
笑顔が可愛い所も、優しい所も、仲間思いな所も。妄想してても、ちょっと天然でも、それも全部。
出逢ったあの日からずっと、光輝の事が。
だから、私_」
光輝「ま、待って待って待って。それは、それは絶対、俺から、言わなきゃいけない気がする。」
そう言ってくれた光輝の瞳は、
力強く、何かを決心したような、そんな瞳だった。
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みんみん - 私は、光輝君オチがいいと思います。そしてこれからも頑張ってください! (2020年3月6日 17時) (レス) id: 058bebc08c (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん星(プロフ) - 美空さん» お気に入り追加まで…嬉しい言葉、ありがとうございます! 遅くはなりますがこれからも丁寧に更新させて頂こうと思います。 (2019年11月12日 3時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - この作品面白いです!お気に入り追加しました!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年9月15日 22時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年4月4日 22時