心のままに ページ31
明るく天真爛漫で、優しい尊人。
不器用な幼馴染の、竜。
いつだって人を引っ張る力を持ってる綾小路さん。
優しくて正統派王子で…完璧な朱雀さん。
私の憧れの人、光輝。
全員からのデートプランを受けて、
想いを伝えてもらって。
今までの人生ならば、こんな奇跡は起きなかっただろう。
こんなに人を愛し、愛してもらえる事など
きっと知らなかった。
全ての競技が終わり、今はただ結果を待つだけで。
舞台袖に移動した私は、陸や海司達と一緒にただ見守っていた。
緊張の糸が張り詰めて、苦しくなるほど心臓を痛める。
そして__________
発表されたのは、朱雀さんの名前だった。
わあっ、と上がる歓声と、眩しいくらいのライト。
ただ少しだけ__________、
心臓がどん、と跳ねたような音がした。
じゃあ、私……………。
理事長「Aくん! 前へ!」
意気揚々と、さも当たり前かのように呼ばれる名前。
周りの王子の少し強ばった表情。
袖で見ていた海司と陸は、いまだ驚いたままで空いた口を塞げずにいた。
………………なぜだったんだろう。
足が全く動かなかった。
先へ進めなかった。
行かなきゃ
頭の中でもう一人の私が言うけれど
根が生えたように、まるで縛りつけられたように。
「………………っ、」
理事長「…? Aくん?」
奏「…………?」
竜「…おい。」
「え?」
重苦しい沈黙の中、それを破ってくれたのは竜だった。
いつものように、強く低く、優しい声。
竜「ちゃんと言えよ。」
「え、、」
竜「…自分の気持ち。素直になんなきゃ後悔すんぞ。」
ふ、と微笑んでくれた彼の優しさと
視線をずらせば目が合う皆の笑顔が優しくて優しくて、嬉しかった。
「…………………はい。」
力強く頷いて、朱雀さんに向き直る。
「伝説の王子、おめでとうございます。」
奏「ありがとう、プリンセス。」
「けど………私、朱雀さんとお付き合いする事は出来ません。」
瞬間、どよめく客席。
さすがの服部さんも止めようと前に出ようとしていた。
……だけど。
私も引けない。
どうしても譲りたくない想いがある。
.
例え________彼が、どう思っていようとも。
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みんみん - 私は、光輝君オチがいいと思います。そしてこれからも頑張ってください! (2020年3月6日 17時) (レス) id: 058bebc08c (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん星(プロフ) - 美空さん» お気に入り追加まで…嬉しい言葉、ありがとうございます! 遅くはなりますがこれからも丁寧に更新させて頂こうと思います。 (2019年11月12日 3時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - この作品面白いです!お気に入り追加しました!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年9月15日 22時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年4月4日 22時