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宣戦布告 ページ25

陸side






光輝「…………」


陸「…………」


近くにある公園に入って、
無言で歩いて行く光輝の背を追いかけるように歩いて、数分が経っていた。






待ってる、と不安そうに呟いて公園の外に居る海司には凄く申し訳ない思いがあるけれど、きっと、


今ちゃんと話さないといけないって、そんな気がした。





…でも


Aさんが好きなのは、光輝なのに。






光輝がブランコまでついて、す、と座る。

俺も隣に腰をおろした。





陸「…話って?」


光輝「…………お前さ。」

陸「…ん?」


光輝「Aさんのこと、好きなの?」



陸「……なんで?」



光輝「…なんでって。お前見てたらそう、思ったから、」



陸「気にしすぎだよ、光輝。」



光輝「は?」


陸「確かに好きだけど、そういう好きじゃないよ。Aさんは。光輝の事応援するって言ったじゃん。」




光輝「…………」



何かを考え込むように俯いた光輝を見ず、黒く染まった空に光る星だけを見て言葉を投げた。





光輝「…嘘つけ。」


陸「嘘なんかじゃ、」



光輝「ふざけんな!!」



陸「っ、!?」


ばっと勢い良く立ち上がって俺の前に光輝は立った。


怒ったような、悲しいような複雑な表情を浮かべて。




陸「なん、だよ。」


光輝「そうやってずっと俺に嘘つくのかよ。俺だけじゃない、お前自身にも。」



陸「、え、」


光輝「俺が好きだから遠慮してるとか、そういうの要らねぇよ。好きなら好きって堂々としてろ。俺はお前の口から、お前から本音が聞きたくて、」



少しずつ光輝の声に涙が嗚咽が交じる。




陸「光輝、」


光輝「なんだよ、そんな信用ねえのかよ、そんなんで友情壊れるとかバカなこと考えてんなよ、」




そこまで言われて、どこかではっとした。




俺、


なんで怖くなってたんだろ。




例えネクストの中の誰かがAさんと結ばれても


例え全然違う人がAさんの心を攫っても





俺らの関係は、何一つ変わらないのに。





陸「ごめん、ごめん光輝、俺勝手に不安になってた、」

「……俺、Aさんのこと好きだ。凄い好きになってた。気づいたら、Aさんでいっぱいになってた、」



光輝「…やっと、言ってくれたな。バカ。」



陸「っ、光輝、」


光輝「親友で、ライバルだな!」



陸「…うん、そう、だな!」



お互いの宣戦布告。



例え選ばれたのが誰だったとしても






好きになれたことに後悔はしない。心からそう思えた。

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みんみん - 私は、光輝君オチがいいと思います。そしてこれからも頑張ってください! (2020年3月6日 17時) (レス) id: 058bebc08c (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん星(プロフ) - 美空さん» お気に入り追加まで…嬉しい言葉、ありがとうございます! 遅くはなりますがこれからも丁寧に更新させて頂こうと思います。 (2019年11月12日 3時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - この作品面白いです!お気に入り追加しました!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年9月15日 22時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年4月4日 22時

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