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ぶつかる想い ページ16

叶わない想いなら …… 〜 ♪




彼奴だけの通知音を変えているからすぐに分かる。









可愛いスタンプに彼奴らしい文章。




竜「……ふっ、」



…かわい。 何て、他の女には全く思ったりしねえのにな。



喧嘩の後で気が立っていて屋上に来ていたのに、それが不思議なほどすっと落ち着く。
上がる口角を抑えながら歩き出した。









なのに。



「お前、Aさんのなんなんだよ。」



燃えるような赤い髪にそぐわないむすっとした子供みたいな顔をして俺の肩を掴むこいつ。



竜「あ? お前には関係ねぇだろうが。」

光輝「関係あるだろ。あ?」

竜「何だよやんのか? あぁ?」


どれだけ凄んでみせても負けじと食らいついてくるのが面倒で溜息をついて視線を逸らした。



竜「はぁ。なんなんだよお前。」


光輝「お前こそなんなんだよ。なんでAさんの連絡先……っ、」

竜「ふーん。お前は知らねぇんだ。」


光輝「んだよ、これからだよっ!!」

竜「どうだかな。」



拗ねたように突っかかってくるこいつの事は、あいつが良く話してたから知っている。


可愛いんだの、格好良いんだの、ダンス上手いんだのって。
だから俺からしたらあんまり名前を聞いて良い気分になる存在じゃない訳で。


竜「とにかく。俺とあいつが何してようと仲良かろうとお前には関係ないから。」


光輝「っ……!!!」



まだ何か言いたげだったそいつを置いて俺は屋上から出た。

折角ちょっと落ち着いたってのに。




…でも、ああいう奴が良いのか。


まあ俺なんかよりは素直に物言うだろうし、喧嘩なんかにあいつを巻き込むような危険な事もない。



竜「…ふっ、」


自嘲気味に笑いが込み上げてくる。



俺の絶対的エースな兄貴。



そしてさっき話した天堂光輝。








勝ち目なんてきっとないだろう。けど。


竜「…伝えねえから。このままで居ることは許せ。」


あいつの困る顔も、兄貴が悲しむのも見たくねえ。
だったら俺は、あいつの友達ポジションで構わない。


例えそれが間違っていたとしても。









例えこれが



始まった瞬間に終わってしまう恋だったとしても。

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みんみん - 私は、光輝君オチがいいと思います。そしてこれからも頑張ってください! (2020年3月6日 17時) (レス) id: 058bebc08c (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん星(プロフ) - 美空さん» お気に入り追加まで…嬉しい言葉、ありがとうございます! 遅くはなりますがこれからも丁寧に更新させて頂こうと思います。 (2019年11月12日 3時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - この作品面白いです!お気に入り追加しました!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年9月15日 22時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年4月4日 22時

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