帰り道 ページ13
天堂くんと帰れてる … と言いたいところだったけど。
私は帰り道を一人で歩いていた 。
〜回想〜
貴「天堂くん、良かったら一緒に……」
ピコン
光輝「あれ、俺だ、……………え。」
貴「どうかした?」
光輝「あ、えっと、すみませんっ、俺理事長に呼ばれてたの、アナウンス気づいてなかったみたいで海司も陸ももう行ってるって…」
貴「大変、行ってきてあげて! 二人とも待ってるだろうし…」
光輝「ごめんなさい!! また、あの、…次は一緒に帰りたいです。」
貴「ふふ、うんっ。」
〜回想終了〜
寂しい気持ち半分、次は一緒にと言って貰えて嬉しさが半分で歩いていた 。
でもそんな時、
「お嬢ちゃん可愛いじゃん。ねえ俺らと遊ばない?」
貴「遊びません。」
怖くなって早足で歩くけれど男の人の歩幅にも力にも叶うはずはなく。
「おい逃げんなよ〜」
貴「っ、」
助けて、だれかっ、
必死で座りこみ抵抗するけれど声が誰かに届くはずなんて….、
?「…何事ですか。」
気づけば男の人が宙を待っていた。
貴「…え?」
「綾小路さん?」
葵「お怪我はありませんか?」
差し伸べられた手をとって立ち上がると綺麗な整った顔が思ったより近くにあった。
貴「ちかっ、あ、すみません!! ありがとうございます。」
葵「………!!! 申し訳ありません、近すぎましたね、、」
綾小路さんの首まで真っ赤に染まっているのが暗い中でも良く見えた。
貴「ふふ、綾小路さんも照れたりするんですね。」
葵「な……っ、照れてません。それよりも。夜道を1人で歩くのは危険です。お送りします。」
貴「え、いいですよそんなの! 迷惑じゃ、」
葵「そんな事はありません。…さあ、行きましょう。」
綾小路さんって真面目できちっとしてて近寄り難いイメージがあったのにな。
貴「あれ、そういえば今日ガブリエルさんはいらっしゃらないんですか?」
葵「ああ、彼には先に帰ってもらいました。業務が長引きそうだったので。物凄く心配されてしまいましたが…」
貴「過保護そうですもんね…」
葵「それも、彼の優しさなのですがね。」
貴「あ、家ここなんです。ありがとうございました。」
葵「いえ。おやすみなさい。」
貴「おやすみなさい。」
扉が閉まるのを確認して綾小路はそっと息をついた。
帰ろうとするも振り返り家を見上げる綾小路には本人も気付かぬ愛おしげな笑みが浮かんでいた。
257人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんみん - 私は、光輝君オチがいいと思います。そしてこれからも頑張ってください! (2020年3月6日 17時) (レス) id: 058bebc08c (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん星(プロフ) - 美空さん» お気に入り追加まで…嬉しい言葉、ありがとうございます! 遅くはなりますがこれからも丁寧に更新させて頂こうと思います。 (2019年11月12日 3時) (レス) id: 2dc1554635 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - この作品面白いです!お気に入り追加しました!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年9月15日 22時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルーヴ | 作成日時:2019年4月4日 22時