白いまま溶けてⅡ【短編集】 (ページ39)

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褒めて、褒めて_light blue* ページ39

(Dom/Sub)

「come(おいで)」

柔らかい声がした。彼のコマンドにつられるようにパタパタとソファに座っているなかむの元へ近付く。久しぶりのplayに高揚感が止まらない。彼の隣に座ると、なかむは私の頭を優しく撫でた。

「よしよし…ん、look」

パチリと淡く光る空色の目と目が合う。幸福感で頭がふわふわしてきた。でもまだ目を逸らしちゃいけないと思って彼の指示を待つ。

「今日はソファでしよっか。」
『ん、』
「可愛いね。キス、したい？」
『する、したい。』
「はいはい。…じゃあ kiss」

彼の指示通りに唇を重ねた。その途端、なかむの手が私の後頭部を抑えた。反射的に目を開けると彼も楽しそうに目を開けていて。思わず肩が跳ねる。そのまま身を任せていると、なかむの舌が唇の間をツー…っとなぞってきた。まるで、開けてとでも言うように。恐る恐る口を開ければ、ぬるりと温かい舌が入ってきて。

『ん、っふ、ぁ…、』
「ふぁ…む、ん、」

耳を塞がれて水音が頭に響く。やたらゆっくりと溶かされるせいで理性はギリギリで。つい彼のシャツを握りしめる。

「っ、は、…ふふ、気持ちい？」
『んぅ…なかむ、もっと。きもち、から、』

もっと甘やかして。もっと褒めて。もっともっと、
頭の中に渦巻くのは私の我儘ばかりで。でもきっと彼ならこんな私でも受け止めてくれると、そう分かっているから。

「分かったよ。ちゃんと言えて偉いね。…じゃあもう一回。」

なかむはそう言って笑うと再度唇にキスを落とした。その間も腰を撫でられたり、手を弄られたり、私の欲求は随分と高められてしまった。

『んッ、なかむ、きすばっかり…寂しい。』
「ごめんね。久しぶりだから優しくしようと思って。…safe word、覚えてる？」

もし私がなかむに嫌なことをされた時に言う言葉。絶対使う時が来る日は来ないと思っているけど、彼は優しいからちゃんと決めてくれた。こういう所がやっぱり好き。

『うん、「痛い」でしょ？』
「そ。Aに痛い思いとかさせたくないからね。じゃあ roll」

私は彼のコマンドに従って、ソファに仰向けになった。はやく、彼が欲しくてたまらない。