白いまま溶けてⅡ【短編集】 (ページ31)

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今度こそは君を_yellow* ページ31

(白いまま溶けて【短編集】の「倍返しどころじゃない」の後日談的なものです)

ムカつく、ムカつく、むかつく!!! そう心の中で絶叫して咀嚼していたご飯を飲み込んだ。じくじくと未だに痛む腰にイラッとする。

正直言うと、俺は先日彼女に襲われた。いやもう死んでもあの日のことは思い出したくない。めちゃくちゃ恥ずかしかったし朝起きた時は羞恥心でマグマダイブしたくなった。でもあの日、俺の上で恍惚な表情を浮かべていた彼女は_____その、結構キた。まぁ癪ではあったが。

という訳で俺は仕返しを決行しようと企んだ。今度は気を付けて、ミスなんかしない。今度こそAを溶かしてやるんだと心に決めた。

『_____きりやん？』
「へぇっ!?」

後ろからいきなり声をかけられて思わず肩が跳ねる。するとキョトンとした顔の彼女と目が合った。

『時間大丈夫？今日出かけるんでしょ？』
「あ、やば、行ってきます！」

明日は休み。帰ったらどうしようかと頭をフル回転させつつ家を飛び出した。
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「ただいま。」
『おかえり。ご飯できてるよ。』

日が沈んだ頃、家に帰るとAが出迎えてくれた。その表情や行動はなんの緊張感もないのが丸わかりで。…なんか俺ばっかり意識してるみたいでちょっと複雑な気持ちになる。が、今はそんな事を考えてる場合じゃない。

「A、」
『ん？どうしたの、きり、や、』

スタスタとキッチンに行こうとする彼女を引き止めて触れるだけのキスを落とした。逃げられないように腰に腕を回せば、肩をバシバシと叩かれる。

「っは…何。」
『いやこっちのセリフなんだけど!? 夜ご飯は、』
「そんなの後に決まってんじゃん。 …今日、いいでしょ。」

文句なんて受け付けない。そんな意思を込めて彼女の目を覗き込めばAは黙りこくった。それを了承の意だと受け取って姫抱きして寝室へと向かう。ちらりと見えたAの耳は、真っ赤に染まりきっていた。