白いまま溶けてⅡ【短編集】 (ページ24)

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両手に花とは_green・purple* ページ24

(※二輪挿し注意)

ー彼目線ー

夜の十時過ぎ。リビングの机の上にはビールの缶が数個ころがっていた。そして俺の隣にはA。さらにその隣にはスマイルが座っている。

『ん、ぅ、もうねむい…。』
「おい、寝るならベッド行けって。」
『う〜、すまいる連れてって、』
「はァ？ちょっとちゃんと起きろよ、！」

呂律が回っていないAをボーッと見つめる。可愛いな、なんて。実はといえばここ3人は付き合っている。色々あって3人で落ち着いたわけだけど。…にしても近いな、あの2人。ムカつく。

「A、こっち向いて。」
『うん？どーしたの、しゃ、け、』

ふわふわしたままくるりと振り返った彼女の唇に触れる。その快楽に溺れて、つい長めのキスをしてしまった。が、邪魔する奴が1人。

「おい。いつまでイチャイチャしてんだよ。寝ろよお前ら。」
『ぅえ、』
「____んだよスマイル。自分が放置されてるからって嫉妬は良くねぇぞ。」

はっ、と鼻で笑ってやると彼はどうやらスイッチが入ったらしい。Aの腰を引き寄せて彼女の口に上書きするようにキスを落とした。…あぁ、腹立つ。お酒が入ってるせいかめっちゃムラムラするし。

『ん、ゃ…すま、っぅ、』
「ッは____もう顔、蕩けてんじゃん。」

キスで力が抜けたらしいAは弱々しくスマイルの服の袖を掴んでいる。ずるい、ズルい！

「A、こっち向けって。」
『ぅ、？』
「シャークん、性急すぎるだろ。」
「別に良くね？ Aだって嬉しそうだしいいじゃん。」

そうやって彼女の蕩けた顔を持ち上げてスマイルに見せつける。それを見た彼は目を細めた。

「…ん、ベッド行くぞ。」
「はは、賛成。」

Aを姫抱きにして寝室へと向かう。今日は酔っているから、という理由をつけてイロイロやってやろうと企んだ。それはスマイルも同じらしく、目が合って思わずお互いに妖艶な笑みを浮かべた。