誕生_kn ページ8
『きーんときっ！』
「っわ、おはよ。どうしたの、Aちゃん。」
大学の講義終わり。今日は三限で帰りだからと教科書をしまっていたら、突然後ろから声をかけられて振り返る。パチリと目が合ったのは同じサークルのAちゃんだった。
「あれ、ていうかこっちの棟来るの珍しいよね？」
『あー…うん。私の取ってる授業はこの棟使わないからね。きんとき探しに来たの。』
まっすぐとした目でそう言われて一瞬だけどきりと心臓が跳ねる。いや、さ。ほら、気になってる子からそんなこと言われちゃったらもしかして、なんて淡い期待抱いちゃうのは仕方がないと思う。きっと。
『これ、一緒に行かない？』
「え、あ、それ！」
彼女が手に持っていたのは近くに新しく出来たレストランの整理券だった。毎回の如く長蛇の列でいつか行こうね、と話していたのを思い出す。
『いや〜、予約取れちゃったんだよな〜。で、きんときと行きたいなって思ったんだけど、どう？』
こてんと首を傾げられて、ここで拒否する奴はどこにいるんだろう。ていうか、むしろそんなの期待どころか、勢い余って告白しちゃいそうなんだけど！
「い、いけど…俺とでいいの？」
思わず弱気な発言をしてしまうのは、許して欲しい。だって、ここまで期待して、惑わされて、振り回されて。これで全部勘違いだったらと思うとゾッとしてしまう。
『もちろん。きんときとがいいの。』
あぁもう、いつもAちゃんはこうやって思わせぶりなこと言ってくるんだから。だからといって文句なんて言えない、言わないけど。
Aちゃんは俺が拒否しないのを見たのをいいことに、彼女は俺の手を引いて外に出た。むわりと蒸し暑い風が頬を撫でてくる。暑いのは体温か、気温か分からなくなってきた。
『あ、そうだ。』
「んっ？どうしたの？」
急にAちゃんが信号待ちの時にこちらを振り返った。まだ繋がれた手は、離れない。
『きんとき、誕生日おめでとう。大好きだよ。』
「ぅ、えっ！？！？？」
ほんのり頬が赤い彼女がこちらを振り向く。繋がれていた手が、指が、絡まって心臓が痛い。だって、まさか誕生日が記念日になるなんて誰が思うかよ！
＿＿＿＿＿＿＿＿
大 遅 刻
大変申し訳ありませんでした……えぇ…おめでとうございました…！！！
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モチモチな餅。(プロフ) - すみれいんさん» ほんとですか！良かったです🤭💖 (10月13日 18時) (
レス) id: 42d02b6ee6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 自力更生_nkmの数ヶ月後のお話が何故だが想像できました！笑 (10月12日 23時) (レス) @page27 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチな餅。(プロフ) - とっぽさん» ありがとうございます〜！頑張ります☺️👍💕 (9月19日 18時) (レス) id: 42d02b6ee6 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽ(プロフ) - パスワード外れてる！また見れて嬉しいです。(と言ってもコメントしたのは初めてですが)これからも応援してます！無理のなさらない程度で更新頑張って下さい！ (9月19日 6時) (レス) id: be3600e3e7 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチな餅。(プロフ) - あやさん» わー！？そうですね、ミスってます…ご指摘ありがとうございます🥲🥲 (8月16日 19時) (レス) id: 42d02b6ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モチモチな餅。
| 作成日時：2023年5月9日 20時
