◎御都合主義_kr ページ18
(日和見シリーズ)
『はぁ……。』
「ため息でっか。」
『うるせーですわよ。』
隣にいるなかむをジトッと見つめれば、するりと視線を逸らされた。このため息がうざったいのは分かってる、はずなのに。
『もうほんとヤダ。』
「だからいい加減当たって砕けてくればいーじゃん。」
『そう簡単に言わないでよ…。なかむだってあの子のことまだ好きなんでしょ。』
「俺はもうすっぱり諦めたし！」
『あの子に彼氏出来て素直に喜べんの？』
「ゔ。」
それはちょっと…なんて言葉を濁すあたり、彼もまぁ恋愛面に関しては色々問題アリな訳だが。私は再度、大きなため息を吐いて机に突っ伏した。ちらりと顔を上げて、隣の隣の列に視線を移す。私の一つ前の列だから、彼がこちらの顔を見ることは無い。それを確信した上で、私はきりやんの後ろ姿を眺めていた。
「でもさぁ、見てるだけじゃ何も変わんないよ？」
『分かってるって〜…。』
「うーん…仕方ないなぁ。それじゃあちょっと手伝ってあげよっか？」
『え、何を？』
「いいからいいから！」
なかむは急にニマニマと笑い出したかと思うと、私に顔をぐっと近付けてきた。とはいえ、彼は一つの物事にのめり込むと割と至近距離で話しかけてくるから今更気にしないけど。
「んー、もうちょっと右かな…よし、ここでストップね。あ、ちょっとほっぺ触るね。」
『いや、ほんとになんなの、』
そのままほっぺを両手で挟まれた。いつもみたいに引っ張られるのか、と身構えた時だった。
「ねぇ、なにしてんの。」
初めて聞く、低い声。へ、と腑抜けた声を出しながら視線をそちらに向ければ、なかむの腕を掴んでこちらを見ているきりやんの姿があった。…あれ、さっきまであっち向いてたよね？
「いやはっや…もうちょい行けるかと思ったのに。」
「なに、喧嘩売ってる？それなら買うけど。」
「違うって！見ててモヤモヤするからちょっと手伝おうとしただけじゃん！」
俺悪くない！なんて手をブンブンふるなかむ。未だになかむを睨みつけてるきりやん。何も理解出来てない私。
『えっと、きりやん…？』
「…ちょっと、来て。」
『え、え！？』
急に手を引かれて、なかむは呑気にいってら〜と手を振っている。…きりやんの耳が赤いのは、触れてもいいやつなのかなぁ？
＿＿＿＿＿＿＿＿
お久しぶりです…🙇⤵︎
溺れて染まる短編集【WT】の「日和見主義」のシリーズを書いていきます。
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モチモチな餅。(プロフ) - すみれいんさん» ほんとですか！良かったです🤭💖 (10月13日 18時) (
レス) id: 42d02b6ee6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 自力更生_nkmの数ヶ月後のお話が何故だが想像できました！笑 (10月12日 23時) (レス) @page27 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチな餅。(プロフ) - とっぽさん» ありがとうございます〜！頑張ります☺️👍💕 (9月19日 18時) (レス) id: 42d02b6ee6 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽ(プロフ) - パスワード外れてる！また見れて嬉しいです。(と言ってもコメントしたのは初めてですが)これからも応援してます！無理のなさらない程度で更新頑張って下さい！ (9月19日 6時) (レス) id: be3600e3e7 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチな餅。(プロフ) - あやさん» わー！？そうですね、ミスってます…ご指摘ありがとうございます🥲🥲 (8月16日 19時) (レス) id: 42d02b6ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モチモチな餅。
| 作成日時：2023年5月9日 20時
