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「そう言えば、杠葉さんはなんで花屋を経営しようと思ったんですか。」
『私、昔から花が大好きだったんです。カラフルだし、種類や形も様々。たとえ同じ種類だったとしても花弁の形は少しづつ異なります。それが人を表しているみたいで面白くて。花言葉もあって、とても素敵だなって思ったんです。それにお花屋さんを経営してると色んなお客様に会えてとても楽しいんです!』

花を愛でながらそう話す彼女は、とても素敵で。本当に花屋を経営する事と人と関わり合う事が好きなのだと実感した。

『あと、昔友達に言われたんです!花が、良く似合うねって。それがもう、本当に嬉しくて嬉しくて…。だからその時思ったんです。絶対にお花屋さんになろう、って。』
「…楽しそうっすね。」
『え、分かります…?』
「オーラが滲み出てますね。」
『え"っ。』

恥ずかしいです…!なんて言いながら慌てる杠葉さん。そんな彼女が面白くて、健気で。つい吹き出してしまった。

「ふは、あはは、」
『そんなに面白かったですか…?』
「いや、そんな慌てなくてもいいのに、って。」
『よく言われるんですよ…店長落ち着きがないです!って…後輩に宥められる私って一体…。』

しゅん、と落ち込む杠葉さん。見てて飽きない。ふと目に入った花を手に取って彼女に差し出した。

「これ、杠葉さんに似合うと思います。」
『…スノーフレークですか?』

小ぶりな白い花が沢山付いているスノーフレーク。スズランの花やスイセンの葉に似ているからこの名前がついたらしい。

「俺、杠葉さんが楽しそうに働いているのを見て、花言葉に興味持って調べるようになったんです。まだ全然覚えてませんけど。…でも、これは杠葉さんに、似合うと思って、」

自分で言いながら、段々と恥ずかしさが込み上げてきて言葉が詰まる。彼女はパチパチと瞬きをした後、すぐにパッと笑みを浮かべてスノーフレークを受け取った。

『っ、ありがとうございます!そう言って貰えて、本当に、ほんとに、嬉しいです…。』
「…口下手で申し訳ないです。」
『いえ!全然そんなことないですよ。』

キラキラと顔を輝かせる彼女はさっかのしゅんとした表情は見る影もなくて。スノーフレークを見つめる彼女の目は柔らかくて。また明日も来ます、とだけ言ってその場を後にした。足取りが軽いのは、見なかった振りをして。

______________________

スノーフレーク・・・皆を惹きつける魅力、純粋

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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年1月2日 14時

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