【WT】花束を添えて【sm】 (ページ21)

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After Story_花屋ページ21

「…こんちは。」
『いらっしゃいませ、ってスマイルくん!?』
「今日は一人？」
『うん、今日は平日でお客さん少ないから。』

付き合ってから初めて彼女が働いている時に花屋に出向いた。特に花を買う予定も無いが、朝から夕方まで働いている彼女と予定を合わせるのは大変だから、俺が出向いた方が早い。軽く店内をまわって見ていると、後ろからツンツンと背中をつつかれた。

「ん？」
『…その、ごめんね。』
「、は。」

彼女の手に持たれていたのはカモミール。最近やっと花言葉を覚えられてきた俺にとっては衝撃なもので。差し出されたまま、受け取ることが出来なかった。

「え、何？俺なんかした…？」
『あっ、いや違う違う！そうじゃなくて！』
「じゃあ何。」
『ほらさ、私このお店の店長だし、お花屋さんだから朝から居ないしで…デート、？とかも出来ないじゃん。だからお詫び。』
「いや、」

と途中まで言って言葉を飲み込んだ。変に慰めの言葉をかけるよりかは…まぁありがたく受け取るべきか。

「…ん、ありがと。」
『ふふ。ちゃんとポトスの隣に飾っておいてね。』
「なっ!?」

彼女の言葉に俺はつい反応してしまった。一番最初に貰ったポトスの事を思い出してしまって顔が熱くなる。

「気付いてたのかよ…。」
『家行った時にね、全部ちゃんと飾ってくれてるんだなぁって嬉しくなっちゃって。』
「…そりゃ飾るだろ。せっかく、くれたんだから。」
『嬉しかったよ。ありがとう。』

そう言われてぽん、とカモミールを手に持たされた。

『っし、私仕事戻るから！スマイルくんはどうする？』
「あー…なぁ。」
『うん？』
「今日、泊まり行ってい？」
『…へっ。』

ぽん、と顔を赤く染める彼女。自分で言っておきながら段々恥ずかしくなってくる。が、今は羞恥心なんて捨てなければ。

「ご飯作っとくから。」
『え、作れるの？』
「は？作れるし。」

軽くAを睨むとくふくふと笑われた。…絶対美味いって言わせてやろ、と心に決めた。

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カモミール･･･ごめんなさい