◎慰安話"_sm ページ8
(事後シリーズ)(事後表情有)
意識が浮上して、目を開く。空は微睡んでいて、少しだけ眩しい。隣にはすぅ、と息をしながら寝ているスマイル。…私の全身の気だるさなんて露知らず、みたいな顔をして幸せそうに寝やがって。なんとなくムカついて鼻をつまんでやった。それに不快感を示したのか、紫苑の瞳が見えた。
「…何時。」
『今朝四時。』
「早すぎ。」
『おいこらまた寝ようとすんな。文句言わせろ。』
「はァ?」
布団に顔を埋めようとするスマイルの頬を手に取ってこっちを向かせた。嫌そうに眉を顰められる。いやいや、文句を言いたいのはこっちの方だ。
『身体中痛すぎるんだけど???』
「あ?…あー、」
そうやって言うと、彼はなんとなく状況を察したのか床に散らばった洋服を眺めた。昨日のスマイルはかなり珍しかった。帰ってから急にキスされたかと思えばそのまま寝室に連れ込まれて。お風呂に入りたいと言ったのに「別にいいだろ。」と一蹴されてそのまま。いや、なんだったのあれ…。
『どうしたの?珍しすぎて驚きしか無かったんだけど。』
「…別に、なんも。」
『いや何も無くはないでしょ。何?なんかあった?』
そうやって聞くと、スマイルは少しだけ気まずそうに視線を逸らしてから口を開いた。その言葉は中々衝撃的なもので。
「Aが、積極的な方が好き、って、言うから、」
『……は?』
「っ、昨日言ってただろ!!」
そう叫ばれて少し考える。昨日、積極的な方が好き…あれ、もしかして?
『私が昨日、友達と電話してたやつ?』
「そうだよ…たまたま聞こえて。」
『あー…あー、なるほど、それで心配になっちゃったんだ?』
「…俺、別に積極的な方じゃねぇだろ。」
だから俺以外に目移りするかもと思ったら怖くて、なんて言われて心臓がきゅ、と締まる。…えぇ、もう好きが詰まってるじゃん…。
『ふふ、あはは、確かに積極的な方が好きだけど私はスマイルが好きだよ。』
「…そ。」
『んも〜可愛いことするなぁ!』
「ちょ、止めろ!」
頭を撫で回すと頬をピンクに染めて手を取られた。積極的だろうがなんだうが、結局は君が好き。
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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2021年12月17日 20時