慕って染まる短編集【WT】 (ページ39)

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◎細雪_kn ページ39

(雪シリーズ)

『きんっ、ときー！起きて、ほら起きるっ！』
「ちょ、うわ、何？急に…。」

朝からハイテンションな私と、寝起き早々叩き起されて困惑しているきんとき。いつもは私が起こされる側だから相当驚いただろう。私がこんなにテンションが高いのはもちろん理由がある。

『きんとき！雪だよ雪!!』
「はいはい、分かったよ。もう起きたから、服の袖伸びちゃうよ〜？」
『あ、ごめん。』

慌てて彼の服から手を離した。きんときがご飯を食べている間に庭に飛び出した。今はパラパラとしか降っていないが、寝ている間に相当降ったらしく中々に積もっていた。

『とりゃァ！』

周りに誰もいないのをいいことに雪の中にばふ！と背面から飛び込んだ。空からチラチラ落ちてくる雪が幻想的だ。よっこらせ、と起き上がると雪に人型が出来ていて満足した。

「あっ、狡いことしてる！」
『きんときが遅いのがいけないんですぅ〜。』

後から来たきんときが手袋をつけながらやってきた。どうやら私がつけた人型を見たらしい。

「ほら頭に雪付けちゃってもう、ほら払うよ。」
『ん、ありがとう。』

頭からパラパラと雪を落としてもらい、今度は二人で雪だるまを作ることにした。私が頭、きんときが胴体を作ることになった。

「これくらいの大きさ…？」
『えっ、小さいよー！もっと大きいの作ろ。』
「分かったよ。じゃあもうちょい雪持ってくるかー。」

きんときがパフパフと胴体を作り終え、私が頭を完成させた。石で目と口を作った。

『お、いい感じじゃーん！』
「これ名前何にするの？」
『えー…ポチ。』
「それは犬なんじゃないかなぁ…。」

くふくふと笑うきんときは本当に楽しそうで。久々の雪でテンションはバグったらしい。

『よーし次は雪合戦です！とりやぁ!!!』
「あだっ、ちょ、酷くなぁい!?」

そこから始まった雪合戦は怒涛だった。でも楽しかったからいいよね！(満足げ)

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細雪_ささめゆき
･･･細やかに降る雪

きゃんでぃさん、リクエストありがとうございました。「雪が降った」で全員分書かせていただきます。この時期を過ぎると雪関係なくなりそうなので今のうちに全員書いときます。