◎厳戒態勢_kr ページ25
(過保護シリーズ)
私の彼氏は中々の過保護…というか他の男の人への規制が凄い。スカートなんて履いて外へ出かけようものなら必ず着いてくるし、私のことをナンパしようものなら圧倒的な負のオーラで追い払ってしまう。というかナンパさせる余地すら与えられないくらいベッタリだけど。今日もまた彼とカフェにデートしにきている訳だけど。
「…。」
『やんさん。顔、顔。』
「あ?」
向かい側に座ってカフェオレを飲む彼の顔は酷く歪んでいる。いや怖すぎて無理なんだが。まぁそれもそうだろう。私がミニスカに黒タイツなんて中々の服装を着ているから目を光らせているらしい。
『んもー、そんなにしなくても大丈夫だよ。』
「はぁ?自分がどれほど可愛いか分かって言ってんの?」
『すごい恥ずいこと言うじゃん…。』
「事実しか言ってないけど。」
それだけ言うと彼は机の下をちらりと見た。私の足がやたら気になるらしい。…なんかもうここだけ切り取ると変態みたいになってるんだよなぁ。
「…ねぇ。」
『んー?』
「やっぱりズボンにしよ?」
『はい?』
いきなり何を言い出すかと思えばギャル化した娘に小言を言うお父さんみたいなことを言い出した。いやもう過保護すぎて笑ってしまいそうだ。
『えー、やんはこの格好嫌?』
「嫌じゃ、ない、けどさぁ…。」
『けど何。』
「…彼女のそんな格好を他の男が見るのかと思うとだいぶ無理。」
しかも黒タイツとか…、なんて呟きながら目線をずらした彼。その目には若干の熱も見える。え、そんなにですか。
『うぅん…まぁ、彼氏の願いなら叶えたいとは思うけどね。』
「え、マジで!?」
『でも今の私は無理だよ?ズボン持ってないから。』
「洋服!買いに行こ!!」
『は、今から!!?』
そうと決まれば行くよ!なんて言われて手を繋いで店を出た。慌てる私と楽しそうな彼。そんなに足、晒して欲しくないのか。独占欲なのか、はたまた過保護すぎるのか。…いや、両方だったか。
______________________
過保護krさんでした…?knさんver.も書きますよ。お題箱から頂いたリクエストでした。
957人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2021年12月17日 20時