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◎家庭_shk ページ18

(出産・子育てシリーズ)
(溺れて染まる短編集【WT】の旦那、心配中_shkの後日談)

妊娠発覚からしばらく経って。ついにその時が来たらしい。しかもそれは、シャークんが動画を撮っている最中という最悪のタイミングで。

『ま、って、やば、』

机の上に置いてあったスマホを手に取って彼に電話する。緊急の時は電話で、と言われていたのだ。

"「…ん、もしもし、どした?」"
『しゃけ、やばい、かも。病院、』
"「え、マジ!?ちょ、動くなよ?!!」"

彼の部屋からドタバタと音がして上着を羽織った彼が出てきた。その顔はいつにないくらい焦っていて私のことを思ってくれているんだな、と場違いなことを考えてしまった。そのまま彼に抱き抱えられて病院に運び込まれた。検査を受けて出産までの時間が刻々と迫ってくる。

「A、」
『シャークん…撮影、大丈夫?』
「バカ。まずは自分の心配しろ。…メンバーには話してあるから。」
『そっか。』

その言葉が、とても嬉しかった。何とか落ち着いたものの、いつ産まれるか分からない。しばらく経つと、あ、これは、と思った。

『しゃ、け、やば、』
「え、マジで!?ちょ、看護師さん…!」

そのまま彼に呼ばれた看護師さん達に連れていかれて分娩室に入った。シャークんに関してはどうしたらいいか分からないようで部屋の隅で動揺している。

[それではいきんでくださいね、]
『は、い、』

そのまま息を整えて、激痛に耐える。部屋の中で彼がお医者さんに何か言われているのが聞こえる。その後、彼が私の手を握ったのが分かった。

「A…頑張れ、頑張って、」
『あ、りがとう。』

そう呟いてぎゅ、と目を瞑った。暫く経つと、室内に響く産声。脱力する私。

[おめでとうございます、元気な男の子ですよ。]
『…はは、ありがとうございます。』

ふぅ、と息をついて隣に来る我が子。可愛いなぁと頬を撫でる。すると横目に映ったのは魂が抜けてる旦那さま。あはは、つかれきってる。

『シャークん。』
「んえ、?」
『抱っこする?』

彼は少し驚いてから、そっと我が子を抱き抱えた。それがあまりにも嬉しそうでこっちまで嬉しくなった。

◇→←◎虚偽_sm



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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2021年12月17日 20時

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