溺れて染まる短編集【WT】 (ページ12)

今日:10 hit、昨日:68 hit、合計:296,032 hit

◎求婚_kn ページ12

(プロポーズシリーズ)(誤字訂正)

「ねぇ、今日の夜空いてる？」

きんときにそう聞かれたのは、今朝だった。特に何も無かったので二つ返事で了承した。でも何をするのかが思い当たりがない。デートするにも夜というチョイスが謎だし、買い物にしては遅い。夜ご飯かと思ったけど、彼に聞いたら夜は家がいいな、と言われた。…果たして、何なのだろう。

そして時刻は夜の8時頃。きんときに呼ばれて二人で車に乗った。どこに行くの？と問えば、内緒、と微笑まれてしまった。彼のあの顔にはどうにもこうにも勝てないのだ。

「…あはは、そんな顔しないでよ。」

『だって…どこ行くか言わないのなんか焦らされてるみたいでヤダ。』

「そんな変なところじゃないよ。きっと喜んでくれる。」

どこへ行くのかと、外をじっと眺める。…あれ、そう言えばここら辺ってなんか見た事が、

いつの記憶だろうかと遡っている時に車が停められた。

「はい、降りていいよ。あと、目瞑ってくれる？」
『え、目？』
「俺が手引くから、ね？」

そう言われて大人しく目を瞑った。きんときに手を引かれて歩いて行く。暫く歩くと、彼に「止まっていいよ。」と声をかけられて立ち止まった。

「はい着いた。目、開けて？」
『…ん。』

スっ、と目を開けるとそこにはライトアップされている白いお城。…きっとこれは、

『チャペル…、』
「そう正解！」

ニコニコしたきんときと目が合った。チャペル、え、なんで？考えれば考えるほど分からなくなる。そんな私に気付いたのか、きんときが私の手を取って王子様のように跪いた。

「A。不甲斐ない俺ですが、これからずっとずっとAと一緒に生きていきたいと思ってる。もし良かったら____俺と結婚してくれませんか。」
『っ、私でよければ、お願いします…！』

ボロボロと泣きながら彼の手を取れば、思い切り引き寄せられて抱き締められた。幸せが溢れて、止まらない。

「はぁ…良かった、良かったぁ…。」

『私が断るわけ、無いじゃんﾞ〜！！』

「うん、そうだね。…結婚指輪は、今度一緒に見に行こ？」

『うんﾞ、一緒に行ぐ…。』

「あーあー、そんなに泣かないで。ほら、泣き止んで？」

『きんどぎのせいじゃん！』

「そうだね。ごめんね。」

彼のおかげで今日一日が、最高の日になりました。

______________________
最近誤字脱字が激しいですね。すみません…気付いた場合にはｺｯｿﾘ教えて貰えると幸いです。