◎大喧嘩後、家出_kn ページ25
(リクエスト!!)(喧嘩の内容はお任せ致します)
頭がぐるぐるする。どうしよう、怒られちゃった。きんときを、怒らせちゃった。その事実だけが自分の心にグサリと刺さってきて涙が落ちる。
『っぁ、ご、め、』
「ねぇ。俺は別に謝って欲しいわけじゃないの。なんでそういうこと言ったのか教えて欲しいんだって。」
『ぁ、や、』
息がしずらい。目眩がする。ただただ混乱して、この場にいるのがとてつもなく辛い。
「Aってば、」
『ッ、!』
伸びてきた彼の手を思わず振り払ってしまった。が、こんな事をしてしまったが最後。混乱したままの私は近くにあったスマホと財布だけを持って家を飛び出した。
やっちゃった。どうしよう。きんときと別れないといけない? やだ、そんなの嫌。でも、もう手遅れ…? 私捨てられちゃうかな、嫌いって思われてる? あ、ダメかも、
ついに力が抜けて倒れそうになった。
「_____っ、A!!」
『ひ、』
急に誰かに体を支えられる。だけど直ぐにきんときなんじゃないかという恐怖やら焦りやらで肩を押してしまった。
「A! 落ち着つけって、俺きんときじゃねぇって!」
『っえ、あ、』
顔を上げると綺麗なラベンダー色の瞳と目が合った。そうだ、この目はきんときじゃない、
「落ち着いたか? 急に倒れそうになるからビビったんだけど。」
『ぁ、ごめんねスマイルくん。ありがとう。』
そう言って一歩離れようとする。が、スマイルくんはそれを許してはくれなかった。
「こんな夜遅くに一人で何してんだよ。…きんときは。」
『……た。』
「え?」
『家出、してきた。』
事のあらましを説明すると、彼は少し考えてからため息をついた。
「とりあえず今一人で歩くのは危ないからどっか室内行くぞ。俺の家…はきんときが嫌がるからダメか。ホテルとか泊まれるか。」
『うん。ありがとう、』
スマイルくんに促されるまま近くのホテルに泊まることにした。…とりあえず今日は何も考えずに寝ちゃおう。
1094人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年2月13日 22時