◎愛発送_kr ページ21
(リクエスト!!)
元からメイド喫茶には興味があった。だってあんなに可愛い人達に囲まれてご飯食べれるんだよ? 楽しそうじゃん。一回だけ彼氏____きりやんにメイド喫茶に行ったことある? って聞いたことがある。即答で「無い」って言われたけど。
『…やってみる?』
決断してからは早かった。私は行動力がある方だ。昔の文化祭で作ったメイド服を引っ張り出す。まだギリギリ着れる…? 何とか着てみると意外と大丈夫だった。俺に安心しつつオムライスを作る…いや、さすがにベタすぎ? じゃあ何を作ろうか…。冷蔵庫をのぞき込みながら悩む。この材料でできるご飯ってなんだろう。
『…あ。』
そうだ。閃いてからの私の行動は早かった。きりやんが帰ってくるまであと一時間。
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「ただい、ま、?」
『お帰りなさいませ、ご主人様っ♡』
「…え、何。ドッキリかけられてるの俺。」
『なんでもないですよ〜。それではご主人様、お荷物お持ちしますよ!』
「あ、え、ありがとう…?」
未だによくわかっていないらしい彼を他所に私はルンルン気分だ。だって楽しいことこの上ない。羞恥心?そんなの昔に捨てたよ?
『ご主人様、夜ご飯を召し上がりますか?』
「食べる、けど、」
『準備が出来ておりますのでお席へどうぞ〜。』
すすす、と椅子を引くと彼は周りをキョロキョロしながら席に着いた。まだドッキリかなんかだと思っているらしい。心の中でクスクスと笑いながら彼の横へ移動する。机の上には私が頑張って作った煮込みハンバーグが鎮座している。うん、頑張った甲斐があった!
『それではご主人様! 私と一緒に掛け声お願いしますね。』
「かっ、掛け声!?」
『はい! 美味しくなる魔法です! では行きますよ?
美味しくなぁれ、萌え萌えキュン♡』
「き、きゅん…。」
きりやんは目を丸くしながら私を見つめてそう呟いた。いい反応が見れて私としては大満足だ。彼は終始なにか悩んでいたようだけど。
…
(これって襲われ待ち…? なんか試されてるの、俺??)
混乱が止まらないきりやんでした。
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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年2月13日 22時