◎大波乱_kn ページ13
(リクエスト!!)
いや、たまに配信でやらかすことはあった。畳配信しちゃったりとか。それでもミュート芸はしないように頑張っていた。頑張ってたんだけど…。
"「きんさ〜ん。ミュート出来てないですよ〜?」"
「……ヒェ。」
こんなに情けない声が出たのはいつぶりだろうか。こうなったのは彼女からの電話が配信中に掛かってきたからで。ミュートにしたつもりで電話に出たのがダメだった。
「もしもし、どしたの急に。」
"『えへ、きんときだ〜。』"
「うん。きんときだけど…ほんとにどしたの? 酔ってる?」
"『まだ飲めるからぁ!!』"
「俺と同じくらい飲めない癖に何言ってるんだか…。」
今どこにいるの、と言おうとした時だった。やたらとミュートしたはずのパソコン画面が騒がしい。ちらりと目をやるとコメント欄には「彼女さんですか!!??」という言葉がずらり。彼女にちょっとまっててとだけ言って慌てて席に戻ったら…まぁ、案の定。
"「きんとき、コメ欄でめっちゃ言われてたよ? 恋人の前では声色優しいんですね〜、って。」"
「えっ…マジ?」
"「やばかったもん。俺とかぶるーくと話す時より何十倍も柔らかい声色してた。」"
なかむにそう指摘されて頭が真っ白になる。いや、いやいや、本当に待って欲しい。
「はっず…。」
"「とりあえず残りの配信はきりやんが入ってくれるらしいから大丈夫だよ。迎えに行った方がいいんじゃない?」"
「恩に着ます…。」
俺は顔を手で覆いながら通話とゲームを抜けた。未だに顔が熱いことに変わりはないが仕方がない。再度彼女との通話を繋げる。
"『んわ、きんとき、?』"
「そうだよ。今から迎えに行くから場所言える?」
"『えーっとねぇ__________』"
Aの声を聞きながらふと思った。俺ってそんなに声色柔らかくなってるの…?
「ねぇA。」
"『うんー?』"
「俺の声、動画と違う?」
"『違うよぉ。優しいきんときの声で名前呼ばれるの、私好きなんだぁ。』"
私だけの特権でしょ? なんて言われてしまえば、俺は完敗なのだけれども。
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なんか♡機能ついてますね…。作者としてはどのお話が人気か分かって嬉しいですね。良かったら過去作遡って好きなお話に♡付けて欲しいです…。
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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年2月13日 22時