◎競技_sm ページ36
(リクエスト!!)(男女の双子です)(小学校低学年くらい)
「パパー!!! 来てくれたの!? ね、ね、僕の走ってたの見てた?!!」
「ゔぇ、見た、見たから…突撃してくんな。」
隣でキャッキャとはしゃぐのは息子とその父親___スマイルで。今日は子供たちの運動会。元々スマイルは仕事が入っていて来れないかも、という話だった。けれど予定をずらせたそうで来れたのだ。
「ママ、お腹空いたからお弁当食べたい。」
『はいはい、じゃあ日陰行こっか。』
後ろから近付いてきた娘を抱き上げて木の下にレジャーシートを敷く。今日は運動会という事で結構頑張ってお弁当を作ったのだ。
「わー！ ママのお弁当美味しそう〜。」
『ふふ、良かった。ほらて洗ってきなさい。』
「「はーい!!」」
二人とも嬉しそうに笑ってぴょこぴょこと手洗い場に走っていった。転ばないといいけどなぁ…。
「…あいつらもデカくなったな。」
『何おじさんみたいなこと言ってるの。』
隣でポケーっと子供たちの後ろ姿を眺めているスマイルは、既にちょっと暑さにやられているようだ。お弁当に入れていた保冷剤を渡すとおでこにあて始めた。
「こんな暑っつい中やるもんじゃねぇよな。」
『でもこの後に親子競技あるよ？』
「…俺倒れる気がする。」
『やめてよ、体力無さすぎるでしょ。』
持ってきていたうちわでパタパタと仰ぐ姿はもう競技に出たあとの人のようだ。まだ来たばっかりなのに、ね。
「パパー!! 次の競技一緒に出るでしょ？」
「んぁ？ そうだけど。」
息子が走ってきてスマイルに飛びつく。本当にスマイルのこと好きだなぁ。
「それね、お題の紙を引いてそれに従って色んな方法でゴールするんだけど…おんぶあるからそれ引いたらパパ頑張ってね！」
「はァ!?」
息子の言葉に拍子抜けするスマイル。その声がひっくり返っていて思わず吹き出した。おんぶ、おんぶかぁ…スマイルできるかな？
「私はママのために手繋いで走る紙引くね？」
『うーん…あれは運だからどうだろうなぁ〜…。』
私はちらりとスマイルと目を合わせた。お互い頑張ろうね、なんて。
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作者名：モチモチな餅。
| 作成日時：2022年2月13日 22時
