◎水族館_nkm ページ33
(リクエスト!!)
『ねー、あっち見て! おっきい!!』
「はいはい、走らないの…ってまじで大きいじゃんすご。」
久しぶりのデート。ついはしゃぐ私と、そのノリにちゃんとついてくるなかむ。付き合い始めはテンションの差が激しいことから長続きするのかと周りから散々言われたが、今となってお似合いカップルとまで言われるようになった。きっとお互いがお互いに染まったからなんだろうけど。
『なかむ〜、私お土産買いたい!』
「言うと思ってちゃんとお土産用の袋持ってきたよ。」
『私の彼氏天才…?』
「A限定だよ。」
そう言いながら私の頭を撫でるなかむ。…なんだか日に日に彼が私に甘くなっている気がして小っ恥ずかしい。まぁ嬉しいことに変わりは無いのだけれど。
「ほら、どれ欲しいのか選んで?」
『んーっとね、じゃあこれ!』
私が手に取ったのはイルカのパペットだ。ただ単純に可愛さで選んだ。あと目が合ったから!
「分かった、じゃあ買ってくるね。」
『え、私お金出す、』
「ダーメ。こういうのは彼氏にカッコつけさせて?」
なかむが持っていた水族館のパンフレットで頭をぽん、と叩かれて彼はさっさとレジへと向かっていってしまった。…こういう所なんだよね、本当に。一人でぼうっとなかむを眺めていると、彼はすぐに帰ってきてくれた。
「はい。ちゃんと家に飾っといてね。」
『うん! せっかくのなかむのプレゼントだもん、大切にする。』
そう言ってパペットをふにふにと手で包んで遊んでみる。なかむはそれをジーッと見つめた後、私の手からひょいと取上げてしまった。
『あ、何するの〜。』
「ん。」
『ぇあ、んぶ、!?』
急に取ったパペットを手に付けたかと思うと、私の口をそれで塞いできた。思わず反射的になかむを睨むと、ニヤニヤと悪い笑みを浮かべて一言。
「これでもうパペット見たら俺の事思い出しちゃうようになったね?」
あぁもうこの人は!
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今月の更新は遅めかもです…悪しからず……
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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年2月13日 22時