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『あの後、どうしたの?』
「あの後?…あぁ、公園での話してる? あの時ねぇ、僕ちょうどきりやんと電話してたの。で、Aちゃん見つけたけどどうする? って聞いたら、今喧嘩中だから起きてすぐにきりやんと喋るのはゆっくり出来ないだろうから僕の方で寝かせてくれない? って頼まれたんだよね。」
『あぁ、なるほど。』
どうやらきりやんなりの優しさだったようだ。そのままお粥を口に運ぶと、不思議なくらい自然と体に良く染み込んできた。
『ぶるーく、これって、』
「あはは、やっぱりバレちゃった? 電話口できりやんにすーっごく教えこまれたの。Aちゃんは疲れた時とかこのお粥を食べたいって言い出すから、って。」
…きりやんには全てお見通しなのか。いつもの味付けに、どこか安心している自分がいた。全て食べ終えると、ぶるーくは私を見つめた。
「きりやんが謝りたいって。…会えそう?」
『うん。お粥食べたら結構スッキリした。ベット貸してくれて、ありがとう。』
「んーん、平気だよ。またいつでも家おいで。」
彼はそう言って私を見送った。向かう先はもちろん自宅だ。玄関先まで行くと、ドアの前で突っ立っているきりやんが見えた。…いつから居たのだろうか。家の中にいればいいのに。そんなことを思いながら彼の前に立つ。昨日は見ることのなかった藤黄の瞳がこちらを見つめる。そして次の瞬間、私は彼の温もりに包まれていた。そっと背中に腕を回す。
『…ただいま。』
「帰ってきてくれて、良かった。」
『帰ってこないと思った?』
「ぶるーくに頼んでから後悔した。ぶるーくの方が好き、って言われたらどうしようって。」
『大丈夫だよ。』
そう言ってから離れる。彼は私の手をギュ、と握りしめて呟いた。
「嫌い、って言ってごめん。ほんとは…そんなこと思ってない。」
『そこは好き、って言ってよ。』
「ご、ごめん! 好き、だから。」
どうか傍に居て。
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お星様がもう赤くなってました…いや、皆様早すぎません? 私の事好きすぎでは…?(すみません調子乗りました)
過去最高順位18位、ありがとうございます。これからもどうかよろしくお願いします🙇♀️
良ければ一番右のお星様を押して頂けると幸いです。
それでは!
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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年2月13日 22時