救世主と約束 ページ8
.
僕が石川さんに会ったのは９歳のころ、やからちょうど１０年前か。
親がバレーやってたし、僕もやってたから春高を見に行くことになって。
ちょうどそれは石川さんの最期の年やったんちゃうかな？あれどうやろか？
バレーをしてるといってもそんときはバレー自体はあんま好きやなかったから適当にやってたんやけど、まあ適当にしててもできたし。
だからそんな僕にとっては退屈な時間で、勝手に探検に行く！なんて、一人で歩き回っちゃってさ。
そりゃ春高やもん凄い人が多くて、人混みに流されてまくってでてきたんが人通りの少ない廊下やって
一人怖いしどこかわからんし、今にも泣き出しそうやった僕に声をかけてくれたのが石川さんやってん。
石川「僕、一人かな･･･？」
「ううっ、･･･お兄さん誰？」
石川「俺はね、祐希だよ」
「祐希くん？」
石川「そ！祐希くん笑笑」
「パパとママどこかわからんくなった、」
石川「そっか。んー、･･････なら俺と探しに行こっか？」
「いいの？試合出ないの？」
石川「今はまだ大丈夫だから、早く探しちゃお！」
「ありがとぅ･･･」
石川「お礼言えるなんて偉いね、うーん。君はバレーしてるの？」
「うん、してる。」
石川「そうなんだ、バレー好き？」
「･･･普通」
石川「そっかー、いつか絶対楽しい、好きだって思える日がくるよ。俺が保証する」
「絶対？」
石川「うん、絶対。だから上手くなって一緒に俺と日本代表としてバレーしよう！」
「祐希くんと、一緒にできる？」
石川「名前、なに？」
「･･･A、」
石川「うん、Aがバレーを楽しいって思えるようになったらいつか俺とバレーできる、ってかするの。約束ね」
父「A･･･！」
「あ･･･、」
母「ほんと、探したんだからね･･･？
ありがとうございます、この子をここまで送ってきていただいて。」
石川「いえ、Aパパとママに会えてよかったね」
「うん！祐希くんのお陰だよ！ありがとう！」
石川「ん、頑張れ。応援してる」
「祐希くんも頑張ってね！僕ここで応援してるから！約束！」
ってのがそんときの話。
その時僕祐希くんだなんて呼んでたんや･･･
まあ、そこからバレーが好きになってったんだけど。ほんと僕にとってはバレーの神様のようなものやから
こうやって会えたことがほんと嬉しい。
祐希くん、僕ちゃんと祐希くんとバレーできるようになったで！
約束守れたで･･･！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おもち | 作成日時：2023年10月22日 23時
