sing11 ページ12
真「部員全然増えないなぁ」
発表会で少し注目を集めたものの、合唱部に入ってくれる人はいなかった。
真「………あれ？なんか落ちてる」
『ほんとだ……』
棚の下に何か落ちてるのを発見した真琴は、それを拾って首を傾げた。
真「ねぇ、宮崎祐ってだれ？」
宮崎祐……
その名前を聞いた瞬間に、皆怖い顔をした。
廉「宮崎祐は、泥棒だよ」
私たちが一年生の頃、クラスで盗難があった。
お財布からお金が抜き取られていたのだ。
そして、ある日こんな噂を耳にした。
"犯人は宮崎祐"
噂というのは、すぐ広まるもので2日も経てば全校生徒が知っているものになった。
でも………
『宮崎君は、絶対犯人じゃない』
廉「Aまだそんな事言って……」
『だって、あの日も宮崎君はここでバケツ被って練習してたもん』
真「バケツ………だからか」
あの日は、たまたま有明先生に用があったのだ。
『宮崎君、今日も練習してるんですね』
有「あぁ、やめてもらいたいもんだよ」
そう有明先生は言ってたけど、宮崎君の頑張りを先生も知ってたから部室から追い返そうとはしなかった。
『じゃあ、先生。これ、アレンジお願いしますね』
有「おぅ、その代わり……」
『分かってますよ。はい、これ』
そう言って先生に渡したのは、先生がハマっているキャバ嬢の萌ちゃんの写真。
ばっちりカメラ目線いただいてきましたからね。
有「お前、やるなー」
『ふふっ(笑)じゃあ、お願いします』
扉を開いて出ようとすると、練習が終わったのであろう宮崎君と目が合った。
『宮崎君、お疲れさま』
祐「ありがとう」
宮崎君は汗びっしょりで、どれだけ熱心に取り組んでいるかが分かった。
『合唱……好きなんだね』
祐「えっ？……あぁ、うん。柊さんは嫌い？」
『………………嫌い……かな』
祐「そっかぁ。でもさ……じゃあ、何でそんな悲しそうな顔で言うの？」
ニッコリ笑う事を心がけていたはずなのに、宮崎君にはお見通しみたいだ。
でも、本当の事を話す気にはなれなくて
『………………ごめん。私、教室戻るね』
そう言って、部屋から出て行った。
宮崎君が、学校に来なくなったのは
それから3日後のことだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和乃(プロフ) - はじめまして！表コー大好きだったのですごく楽しみです！大変だとは思いますが、更新頑張ってください。応援しています！ (2016年9月22日 0時) (
レス) id: 49507db695 (このIDを非表示/違反報告)
妃菜(プロフ) - 早く見たいな (2016年6月12日 20時) (レス) id: 5826f5c22c (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - オモコー好きだったのでものすごく嬉しいです！これからも頑張ってください！ (2016年1月3日 14時) (レス) id: 4223ed43a8 (このIDを非表示/違反報告)
☆★ハニー★☆ - わわわわわ〜！感動しました！書き方も上手であこがれます(#^.^#)表参道高校合唱部の良さがよく出てます！更新、これからもがんばってください(*^。^*) (2015年11月10日 18時) (レス) id: 7772aba66f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アリス | 作成日時：2015年10月24日 21時
