翻弄 ━慎也━ ページ27
『だからね、ここは…』
「じゃあここはなんでこうなるんですか？」
『それは、もうこうなる、って覚えるしかないの』
「ふーん…」
個別塾の講師の私
普段は1対2なんだけど、もう一人の子は今日お休みみたい
この子は熱心に色々訊いてくれるんだけど、なかなか結果が表れなくて…
私が少し悩んでる教え子
本人はそんなの全く気にしてないみたいだけど
「頭使ったー。先生、ちょっと休みましょー」
『あのね、まだ始まったばかりでしょ』
「だってもう頭パンクしそう」
『はぁ…』
本当はまだ、始まってわりとすぐで、しかも生徒の言う通りにするなんてだめだと思うけど
本人がやる気ない時にやっても身にならない、が私の考え
ちゃんと勉強して、やることやってるのに…なんでなんだろうなぁ
「…そんなガン見して…なに？」
『ん？…矢島くんって…しっかり予習も復習もして、やることちゃんとやってるのになんで結果出ないんだろうなぁって』
「……先生のせいだよ」
『え？…やっぱり教え方悪い？』
「違う」
『練習問題レベルに合ってなかった？』
「全然違う」
じゃあ…なんだろう
私のせいって言われたら……すぐ思いつくのはそれくらいなんだけど…
今度は矢島くんが私をガン見しながら、なぜか徐々にこっちに来る
『…矢島くん……？』
「先生のせいで……勉強に身が入らないんだよ」
『だからなん、』
「好きだから」
『え』
「…先生が…好きだから」
『大人をからかうのや、』
「からかってない。本気」
『……やめっ』
「高校生だけど俺も男だからね」
手首を掴まれたのを振り払おうとしても振り払えない
…こんなに力強かったの……
『ちょ、矢島くん、』
「もう俺、先生しか見えない。勉強なんて頭に入ってこない」
『何言って、』
「先生、責任とって」
『…ちょっ！やめて…！』
両手をがっちり掴まれて
少しずつ近づいてきた顔
逃げられない！と思ってせめての抵抗で顔をそむけたら、口元すぐまで来て、なんの感触もなくすっと離れた
「……期待した？」
『…はいっ！？…な、何言ってるの！！』
「ふっ……。先生…可愛い」
『……』
「卒業したら…ここね？それまでに先生のこと、絶対惚れさせるから」
自分の唇を指し、にっこりしながら言う彼が、その指が
逆光もあってか、やけに色っぽく見えてしまって……
彼の笑顔をこんなに恐ろしいと思ったことはなかっただろう
目が……本気だ
……これから…
教え子に振り回されそうな予感……
終わり←2
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カスミソウ - 下の間違ってしまったので……書かせていただいきますのでリクよろしくお願いします！ (2015年12月28日 2時) (
レス) id: 75f7c4cbd8 (このIDを非表示/違反報告)
カスミソウ - YURINOさん» 気づくの遅くなってすみません！ぜひ！上手くお応えできる自信ないですが…良ければ書かせていただい きます！ (2015年12月28日 2時) (レス) id: 75f7c4cbd8 (このIDを非表示/違反報告)
YURINO - リクってできますか？ (2015年12月21日 21時) (レス) id: 70753e8424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カスミソウ | 作成日時：2015年9月14日 17時
