見えなくても（黄） (ページ34)

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「話って…」

向き合って座って俺は、すぐ先生に問いかけた。

医「Aさんの今の病状なんですが…」

なに、なんかやばいん？

また、なんか深刻な宣告されるん？

俺の頭の中はそればかりで埋め尽くされて

気が狂いそうやった。

でも、次の先生の言葉でその俺の考えは全て打ち砕かれる。

医「とてもいい方向に向かっています。」

「…え、ほんまですか」

医「ええ、本当です。
精神状態も今までより安定し、笑顔も増えたこと、錦戸さんも感じていられますよね？」

「はい、…」

確かに、前より泣いたり笑ったりの精神が安定している気がする。

笑うときも、ほんまに心から笑っているような

医「このままうまくいけば、早くて2週間後には退院できますよ。」

「ほんまに、？」

俺は、それが現実なんか夢なんか確かめるためにそう聞くと

医「はは、そんな嘘つきませんよ。」

なんて、笑われてしまった。

せやんな、。

ほんまやんな、

「先生っ！ほんまありがとうございます！」

俺は、先生に頭を下げてすぐAの病室に戻った。

「Aっ！」

嬉しくて、大きな声で前を呼んでドアを開ける。

でも、返事はない。

「あれ、」

「あ、検診か笑」

そうや、検診行っとるんやった。

まだかな、まだかなって

待ってたら

『亮ちゃん！』

って、可愛い、大好きな声が聞こえてきて

「A！2週間後には退院出来るかもやて、！」

『うん！そう！あたしも言われたの！』

嬉しくて、2人で抱き合った。

なんか、ここで初めてやっと

ほんまに、幸せやと感じることが出来た。